リハビリコラム

ICUで初めてのリハビリ|作業療法の実践を紹介します!

こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。

ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!

なお
なお
今回は、ICUで初めてリハビリを行う際のお話をして行きます。自分が作業療法士なので作業療法の実践を解説して行きます。どんなことをICUで行えば良いのか知りたい方に必見です。

ICUとは、Intensive Care Unitの略で日本語では集中治療室と言います。
急性期のリハビリテーションではICUにいる患者さんに対してもリハビリを進めていきます。

初めてのICUとなると、誰でも緊張するものかと思います。
自分も最初の頃は以下のようなことを思ってました。

・急変させてしまったらどうしよう

・情報収拾はどうすれば良いのだろう

・作業療法って何をやれば良いのだろう

など同じような疑問を抱く人も多いのではないのかなと思います。

そこで今回は、ICUでリハビリを行なっていく為のポイントと作業療法の実践をお伝えしていきたいと思います。

急性期に務める若手の作業療法士さんや学生さん、他部署理解を少しでもしてみたいと思われる医療従事者の方に参考にして頂きたい記事になります。

是非、最後まで目を通してみて下さい。

ICUで初めてのリハビリ


初めてICUにリハビリを行いにいく時は徹底した情報収集が必要になります。
情報収集不足は患者さんに対して不利益を与えてしまう原因になってしまいます。

患者さんに会う前にカルテからの情報収集、実際に患者さんに会ってからの情報収集をしっかり行なっていくことを心掛けていきましょう!

患者さんに会う前に行う情報収集としては

・現病歴

・既往歴

・意識レベル

・安静度

・画像データ

・血液データー

・薬剤が何を使われているか

・全身状態がどうなっているか

・24時間の変化

・心電図があれば心電図の分析

・ドレーンの本数

・人工呼吸器の設定

・医師に状態確認をする

・看護師に状態確認をする

などを全て収集していきます。

基本的にICUでリハビリを行うにあたっては『知りませんでした』は通用しませんしセラピストとして致命傷なことです。

なお
なお
可能な範囲でカルテの隅から隅までを読み、他部門とのコミュニケーションは密にはかりながらリハビリを進めていきましょう!

『知りませんでした』には絶対にならないように十分注意して介入していきましょう!!!

次に患者さんと実際に会ってから行う情報収集としては

・実際に入っている薬剤をチェック

・バイタルサインをチェック

・ルート類のチェック(どこになんの管が入っているかチェック)

・実際に使われている薬剤をもう一度チャック

・呼吸器が使われているのであれば設定を確認

・全身状態の観察

・意識レベルの確認

・実際に動かす、動いてもらっての評価

を行なっていきます。

常にICUでは情報収集が必要となる場面です。
ICUにいる患者さんは少しの刺激で容易に状態変化をきたしてしまいます。

セラピストは、とにかくゆっくりと丁寧に介入していくのがポイントです。
『あせらないこと』だけは肝に命じて行動していきましょう!

ICUという環境は『死ぬか生きるか』の人がたくさんいる病棟になります。
その為、配置されている医療スタッフも多くいるのも事実です。

患者さんに対しては常に神経質に集中的な管理が必要となりますが逆のことを言えば何かあれば、多くの医療スタッフが迅速に対応できる環境が整っているのもICUの特徴です。

一般病床に比べて『もし万が一』のことがあってもすぐに処置することもできる環境にもあります。

なお
なお
本当によっぽどのことがなければ患者さんは死にません。医療はチームです。何かあれば全ての人が全面サポートしてくれます。

そのことも念頭におきながらリハビリを進められると少し心の余裕を持ちながら介入していくことが出来るかもしれません!

ICUでの初めてのリハビリ|作業療法の実践

では、ICUで行う作業療法というものは、どういうものがあるのかを紹介していきたいと思います!

・覚醒、認知機能に対するアプローチ

・ベッド上での生活動作の獲得

・離床練習

が主にやることです。

離床練習まで行えればどんどん日常生活動作練習へ移行することが出来るようになります。

また、常に面接出来るタイミングがあれば『まず行いたいこと、出来るようになりたいこと』を聴取していきましょう!

常に面接からの情報収集も忘れずに行なっていきましょう!
では、上記の3つに関して深くお伝えしていこうと思います!

覚醒、認知機能に対するアプローチ

ICUの患者さんに対して作業療法士は、覚醒、認知機能に対するアプローチをすることは非常に重要なことになります!

ICUというのは非常に特殊な環境になります。

また患者さんは、病気を発症して自分がどのような状況になっていて、どのような環境に置かれているのかもはっきりとしていない状況になっています。

その為、患者さんは

・せん妄症状が出現しやすい

・夢と現実の区別がつきにく

・現状が把握できない

・ぼんやりとしていて記憶の保持が行えない

・様々な薬が入っていたり、疲労が蓄積しやすく眠たくなりやすい

などの症状が出現しやすい状況となっています。

そこに対して作業療法士が現状把握が行えるアプローチをしたり、生活リズムを整えられるように介入することは今後の生活を拡大していく上でも重要な介入となっていきます。

なお
なお
ICUでのリハビリは非常にやることがたくさんあります。

患者さんの身体面も精神面も評価出来るのは作業療法士しかいません。
しっかりと患者さんの全身状態、精神状態を評価し医師や看護師、理学療法士、言語聴覚士と情報交換を行なっていきましょう。

ただ拘縮予防をするだけが作業療法ではないことだけは知っておきましょう!

ICUでのリハビリは基本的に医学的な側面で介入していくことがほとんどです。
リスク管理をした上で、現状を把握出来るようなアプローチ、覚醒促しをしていくアプローチを心掛けていきましょう!

ここが少し理学療法士と違う視点でのICUでのリハビリになるかと思います!



ベッド上での生活動作の獲得

ICUにいる患者さんはベッド上で過ごしていることがほとんどです。
状態にもよりますが1〜2週間寝たきりというのも容易に考えられることです。

全身状態にもよりますがベッドをギャッチUP出来る状況なのであれば生活のリハビリを進めていきましょう!

・寝返りの練習

・ヒップUPの練習

・歯磨きの練習

・洗顔の練習

・髭剃りの練習

・食事動作の練習

・排尿の練習

・排便の練習

・更衣動作の練習

など、ベッドをギャッチUPしてなくても出来る動作練習やベッドギャッチUPで出来る動作練習もたくさんあります。

やることがないと思ってしまうのは、単なるアイディア不足です。

少しでも出来る動作があるのならどんどん練習していきましょう。
そしてなるべく看護師さんに介助なしで動けるように練習を積極的に行なっていきましょう!!!

隙あれば出来る生活練習を行う!

これを積み重ねていくことで迅速に生活動作の再獲得が行えるようになり退院も早めることができます。

ICUにいるから、とりあえず一般病床に移るまでは無難なリハビリでいいや!ではダメです!

リスク管理を行なった上で、どんどん攻め込んだ作業療法を行なっていき、より素早い機能回復や生活動作の再獲得が行えるように介入を行なっていきましょう!!!!

それが作業療法士のやることです!

離床練習

理学療法士だけではなく作業療法士も離床の知識を身につけておくことが重要です!

なお
なお
患者さんを離床させることのできない作業療法士は急性期の作業療法士ではありません。

基本的に全ての日常生活動作は離床して成り立っています。

寝たきりで行える生活動作は本当に限られたものになりますし、病前とは全然違う作業遂行で生活を行なっていることになります。

そして理学療法の時間だけ離床し作業療法の時間は離床しないということになると
患者さんは1日20分ないしは40分しか起き上がれないことになります。

なお
なお
24時間のうちの20分ないし40分ってやっぱり短すぎますよね!

作業療法士も離床させてあげられるだけの知識があれば、患者さんは起き上がっていられる時間が倍になり患者さんに対しても良い効果を与えることが出来るようになるかもしれません。

作業療法士だから離床はやらない!では絶対ダメです!

作業療法士だからこそ離床を行うんです。離床が行えないと生活の幅は広がっていきません。そして患者さんの回復スピードにもついて行けなくなってしまいます。

患者さんが離床出来るのであれば、常に離床を行えるような環境作りは整えていきましょう!

それが急性期の作業療法士がやることです!

常に患者さんの変化に敏感でいることが大切

いかがだったでしょうか!?
ICUで初めてのリハビリ|作業療法の実践を紹介します!と題して記事をまとめて来ました。

なお
なお
ICUでの作業療法を展開していくにあたっては、常に患者さんの変化に敏感でいることが求められます。

回復スピードに合わせてリハビリ内容を変化させていくのではなく、日々の状態によってリハビリ内容を変えて行かないと自分の行なっている作業療法が意味のなかったものになってしまいます。

意味のないリハビリを行うのならやらない方がましです。

常に観察、観察の視点をもち、インフォーマルな面接をくわえながら『患者さんがどのようになっていきたいのか』ということも常に把握してい来ましょう。

なお
なお
なのでICUのリハビリはもしかしたら理学療法士、言語聴覚士よりやることはたくさんあるかもしれません。

作業療法は自由度が高い分、リスク管理さえ行えればなんでもやれるのが特徴です。
患者さんにとって今一番最善であることを実践していくことが作業療法士には求められます。

様々なことを考えて行かなければなりませんが患者さんの良くなっていく姿を間近で見れるのも急性期の作業療法士の良いところです!

自分が勉強した分、患者さんを良くすることができます。

ぜひ、この記事を読んでいただき、明日からの臨床に役立てて頂いたり実習に役立てて頂ければ嬉しく思います!

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
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