作業療法

第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説part2

こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。

ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!

なお
なお
今回は、前回の続きで第55回作業療法国家試験を現役の作業療法士が解いて解説をつけて行きたいと思います!国家試験の解き方や勉強の方法を学んで頂ければと思います。現役のリハビリ学生さんや作業療法士国家試験がどんな試験なのか興味のある方におすすめです!

前回に引き続き第二段です。
ありがたい事に前回の国試解説は結構、見て頂いている方も多かったので今回も記事にして行きます。

前回のが気になる・見ていないという方は以下にリンクを貼っておきます!

第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説!第55回作業療法国家試験の問題をいくつか抜粋して現役の作業療法士が解いて解説をつけてあります。実際に作業療法国家試験に受かった人がどのような思考過程で問題を解いているのかを知って頂けるかと思います。作業療法学生さんや作業療法国家試験に興味がある方必見です。...

是非、足を運んで見て下さい!

今回は、第55回作業療法国家試験の午後の問題をいくつか抜粋して解説付きで説明していきたいと思います!

共通問題の解説をして専門問題の解説をしていきます!

作業療法士の資格を持っている人が、どんな思考過程で問題を解いているのかを知って頂き、ご自身の勉強方法に役立てて貰えればなと思います!

では、最後まで目を通してみて下さい!

第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説part2〜共通問題〜

午後の共通問題の中からいくつか抜粋して解いて見ました!
図の問題は、貼り付けられないので割愛させてもらいます!!!

なお
なお
問題に入る前にワンポイントアドバイスです!

基本的に国家試験の共通問題で特に解剖、運動、生理学は、どれだけ細かく記憶が出来るかが勝負なんです。記憶ができれば勝ちです。図なんて頭に入れられれば最高ですね。また、語呂合わせで覚えて問題を解いていくのが普通な解き方になります。

それに比べて小児・人間発達、内科学、整形外科学、神経内科学、精神医学、心理学、リハビリテーション概論というものは、記憶+応用が求められます。

なので、疾患のことをしっかり理解した上で自分で考える力が求められます。

第95問目

骨粗鬆症の原因で誤っているのはどれか。
1. 安静臥床
2. 胃切除後
3. 糖尿病
4. ビタミン A 欠乏症
5. 副甲状腺機能亢進症

解説

骨粗鬆症の問題です。
骨粗鬆症は臨床に出れば必ず出会う疾患の1つになります。
曖昧に記憶するのではなく、なぜ骨粗鬆症が起こり得るのかを考えていくことが重要です。

骨粗鬆症に関して絶対に覚えておかなければならないことは

・閉経後の女性に多く発症

・骨粗鬆症にて起こる

・カルシウムや性ホルモンの低下、運動不足、陽に当たる機械の低下で起こる

・安静臥床で起こる

・ステロイドの長期投与で起こる

・起こりやすい骨折は、圧迫骨折、頚部骨折、橈骨遠位端骨折などになる

・血清カルシウム、リン値、アルカリホスファターゼの値が正常

です。

最低限頭に入れておければ、どんな問題が出ても応用して回答することが出来るようになるかと思います!

問題
1. 安静臥床
→安静臥床は骨粗鬆症になりえます。骨への刺激低下は骨の代謝を抑制し骨を脆くしてしまいます。その為、骨粗鬆症予防には適切な運動療法が必要になります。

2. 胃切除後
→胃切除後に関しては文献で様々なことを言われていますが、やはり吸収障害が生じる事が1番の原因で骨粗鬆症に至るとされています。特にビタミンD、脂質吸収を阻害されるとされています。

3. 糖尿病
→糖尿病は骨粗鬆症になる危険因子です。糖尿病になると体内でインシュリン不足に陥ります。インシュリンが作用しないと骨を作る細胞を減らしてしまい骨を形成する事が出来なくなってしまいます。結果、骨粗鬆症になってしまいます。また、糖尿病が進行すると腎障害を起こし、それもまた吸収障害を起こしより骨粗鬆症にしてしまいます。

4. ビタミン A 欠乏症
→骨粗鬆症になり得るのはビタミンDの欠乏です。ビタミンAの欠乏は皮膚、粘膜の障害が生じてきます。

5. 副甲状腺機能亢進症
→いわゆるバセドー病です、バセドウ病は代謝の亢進に関与します。骨を作る破壊と再生のバランスが崩れるので骨粗鬆症となり得ます。

以上より答えは4となります!



第96問目

認知症患者に対して行われるのはどれか。2つ選べ。
1. 音楽療法
2. 内観療法
3. 森田療法
4. 精神分析療法
5. リアリティオリエンテーション

解説

心理学分野の問題です。
統合失調症、うつ、躁、神経症、解離障害、転換障害、認知症、様々な疾患がありますが、1つ1つ適切な対応方法、治療方法に関して理解していないと解けない問題が国試には出題されます。

認知症患者に関しても必ず臨床に出れば出会う疾患の1つになります。
適切に理解して問題を解くようにしましょう!

認知症に対するアプローチ
・回想法

・リアリティオリエンテーション

この2つはしっかりと想起出来るようにしておく事が問題を解く上では重要となります。
また、上記のような問題なら組み合わせで記憶しておくことも良いかと思います!

問題
1. 音楽療法
→懐かしの曲を聞く、懐かしの音楽を歌う、音楽に合わせて身体を動かす。全て認知症患者さんに対しては良い手段とされています。臨床の現場でも積極的に取り入れている方法になります。

2. 内観療法
→内観療法とは吉本伊信が開発した方法です。自分が身近な人からしてもらったことや迷惑をかけたことなどを繰り返し想起して自己洞察を深めていく方法になります。神経症に効果的と言われています。

3. 森田療法
→森田療法は、OTなら誰でも知っている森田生馬が開発した方法ですよね!目的、行動本意の作業を繰り返す事により、症状を受け入れながら生活出来るようにしていくものです。神経症の方に適応とされています。

4. 精神分析療法
→精神分析療法はフロイトにより開発された方法になります。物事を自由連想してもらい無意識に抑圧していた葛藤を意識化に変えて洞察し解決に向かわせるようにする事です。これもまた大人の神経症に適応となります。

5. リアリティオリエンテーション
→認知症患者さんは、ここがどこだか分からない、いつだか分からない、自分が何をしているのかが分からないという状況に陥る事がしばしば見られます。そのような症状に対して場所や日ずけを伝えたり、カレンダーを設置したり、場所を紙に書いたり、今何をしているのかを伝え心理的に安心してもらったり認知刺激の方法として実施されます。

以上より答えは1・5となります!

第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説part2〜専門問題〜

ここからは午後の専門問題の中からいくつか抜粋して解いてみました!
共通問題同様、図の問題は、貼り付けられないので割愛させてもらいます!!!

第15問目

26 歳の女性。通勤途中に人が亡くなる交通事故を目撃した。数日後から睡眠障害、集中力の低下、現実感の変化などの症状が生じ、また、交通事故の起きた場所を避け、事故の夢を繰り返しみるようになった。これらの症状は3週後には消退した。
考えられるのはどれか。
1. 解離性障害
2. 強迫性障害
3. パニック障害
4. 急性ストレス障害
5. 外傷後ストレス障害<PTSD>

解説

この問題は、ひっかけ問題となってます。
一度解いたことのある方は『やられた!』と思われた方も多いのではないでしょうか?笑
1つ1つの障害の事が頭に入ってないとマイナス1点を食らうハメになります。

・解離性障害は、いわゆる多重人格障害です。唐突な行動をしたり、唐突な行動をしたと思ったら次は大人しくなったり、記憶が突如としてなくなったり、自分が自分ではなくなったような感じに陥る症状が出現します。

・強迫性障害は、やってもやってもやり足りない、ある事柄がずっと頭から離れなくなるなどの症状をきたします。その程度は生活に支障がでる程度までひどいものとされています。有名な例えは『手を洗っても洗っても洗い足りない』『鍵をしめたのに閉めたか不安になり何回も何回も家に戻ってしまう』などの症状が出現します。

・パニック障害は誘因なく突然予期せぬパニックが起こることを言います。そして反復して起こるのが特徴です。症状としては、同期、息切れ、めまい、過呼吸、発汗、恐怖、苦痛、震えが異常な程に起こります。

・急性ストレス障害は、別名ASDとも言われます。恐ろしい出来事に直接的・間接的に経験した時に心的外傷を負う障害になります。症状は心的外傷の記憶を繰り返し想起したり、その心的外傷を思い出させる刺激を回避したり、また覚醒状態が亢進するという状況が起こります。特徴としては1ヶ月以上は持続しないとされています。

・外傷後ストレス障害は、強いストレス(地震経験・津波経験・殺人現場の目撃・自殺現場の目撃・強姦被害など)により強い心的外傷をを負った時に生じます。症状はフラッシュバック、心的外傷を思い出せる刺激の回避、無反応、悪夢などが生じます。左記の内容が1ヶ月以上続いたもの外傷後ストレス障害と言います。

問題
1. 解離性障害
→問題を見ると多重人格に陥ってたり、自分が何をやっているか分からないという状況には落ちいてませんよね?なのでこれは間違いです!

2. 強迫性障害
→問題を見ると『やらなきゃいけない』の思考には至ってませんよね?なので間違いです。

3. パニック障害
→誘因なく突然予期せぬパニックは起こってませんよね?しっかりと誘因因子はある状態なのでこれも間違いです。

4. 急性ストレス障害
→交通事故の起きた場所を避け、事故の夢を繰り返しみるようになった。これらの症状は3週後には消退した。急性ストレス障害の症状ですね。そして4週間以内に消失していることから正しいです。

5. 外傷後ストレス障害
交通事故の起きた場所を避け、事故の夢を繰り返しみるようになった。これらの症状は3週後には消退した。の部分を見ると前半はあってますが1ヶ月以上は継続してませんよね?なので間違いです。

以上より答えは4になります。

国試を解くポイントは惑わされないこと

いかがだったでしょうか!?
第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説part2と題して記事をまとめて来ました。

なお
なお
国家試験を解くにあたっては惑わされないことが大切です。なので1つ1つにしっかりと解説をつけられるようにしていくことが大切となります。

国家試験は語呂合わせのように記憶すれば解ける問題と記憶しても応用的に考えて行かないと解けない問題の2パターンがあります!

問題出題者は、ニュアンスを変えて試験者を引っ掛けてます。問題出題者に騙されることなくしっかりと問題を読み込み惑わされないように1点ないしは2点を取っていきましょう!

1点1点の積み重ねが確実に国家試験の合格へと導いてくれます。
また、前回の記事にも書きましたが、1つ1つの問題に解説をつけて『なんで合っているのか』『なんで間違っているのか』をしっかりと出来ると正答率も格段に上がっていきます。

問題をしっかり読み込み解説を自分でつけられるようにしていきましょう!!!

この記事を読んで頂いている全ての人のもとに合格が舞い降りることを心から祈っております!

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
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