作業療法

第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説!

こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。

ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!

なお
なお
今回は、第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説して行きます。どうやって国家試験を解いていけば良いのかの参考にして頂ければと思います。みんさんの勉強が捗ることを心から願っています。合格目指して頑張って下さい。

作業療法士学生さんにとって何としても乗り越えて行かなければならないのが国家試験ですよね!

作業療法士の資格取得に向けて死に物狂いで勉強するものだと思います!

その勉強方法に関しては同級生の勉強方法を見て聞いて真似したり学校の先生に勉強方法を教わったり自分なりの勉強方法を見つけ勉強をされていることかと思います。

なお
なお
本当に頑張っているかと思います!その努力は絶対に裏切らないと思います!!!

そんな頑張っていらっしゃる作業療法学生さんに向けて現役の作業療法士が第55回作業療法国家試験の問題ををいくつか抜粋して実際の解き解き方に関して解説してお伝えしていこうと思います!

作業療法士の資格を持っている人は、どんな思考過程で問題を解いているのかを知って頂き、ご自身の勉強方法に役立てて貰えればなと思います!

では、どーぞ!

第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説!〜専門問題〜

午前中の専門問題の中からいくつか抜粋して解いて見ました!
図の問題は、貼り付けられないので割愛させてもらいます!!!

第8問目

78 歳の女性。右利き。脳梗塞による左片麻痺で入院中。Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅴ、手指Ⅵ、下肢Ⅴ。歯がなく、きざみ食をスプーンで全量自力摂取しているが、次から次へと食べ物を口に運ぶ。改訂水飲みテストMWSTは5点、反復唾液嚥下テストRSSTは
4回/30 秒であった。

この患者への対応で正しいのはどれか。

1. 摂食嚥下に問題の無い患者の対面に座らせる。
2. 食前に耳下腺マッサージを行う。
3. 主菜・副菜にとろみをつける。
4. 小さいスプーンを使用させる。
5. 患者の左空間に皿を置く。

解説

非常に臨床に直結していて良い問題かと思います。
上肢の問題を問われるのかと思いきや、嚥下の問題かい!!!とツッコミたくなる問題かと思います。笑

この問題を解いていくコツとしては、改訂水飲みテストと水飲みテストの違いを理解することと反復唾液嚥下テストをしっかり理解しておくことが重要です!

改訂水飲みテスト

評価不能 口から出す、無反応
1a 嚥下なし、むせなし、湿性嗄声or呼吸切迫
1b 嚥下あり、むせあり
2 嚥下あり、むせなし、呼吸切迫(不顕性誤嚥疑い)
3a 嚥下あり、むせなし、湿性嗄声
3b 嚥下あり、むせあり
4 嚥下あり、むせなし、呼吸良好
5 4に加えて、反復唾液嚥下が30秒以内に2回可能

水飲みテスト

1 1回でむせなく水を飲むことができる
2 2回以上に分けるが、むせることなく飲むことができる
3 1回で飲むことができるが、むせることがある
4 2回以上に分けて飲むにも関わらず、むせることがある
5 むせることがしばしばで、全量飲むことが困難である

反復唾液嚥下テスト

・口腔内を湿潤させた後、空嚥下を30秒間行うように指示する
・姿勢は座位で行う
・評価は人差し指で舌骨を中指で甲状軟骨を触診した状態で行う

判定
・30秒間で3回以上嚥下できれば正常(2回以下は異常)

改訂水飲みテストは数字が上がるにつれて嚥下機能が良好になるのに対して水飲みテストは数字が上がるほど嚥下機能が悪くなっていくことを理解する。

反復唾液嚥下テストはたくさん嚥下できると嚥下機能良好と言うことを理解する。

問題
1. 摂食嚥下に問題の無い患者の対面に座らせる。
→言っていることが意味不明です。

2. 食前に耳下腺マッサージを行う。
→唾液分泌を促したり、嚥下をしやすいくしますが問で出されている症例はそこまで悪い嚥下機能ではありません。

3. 主菜・副菜にとろみをつける。
→嚥下機能が悪い人に対して行います。

4. 小さいスプーンを使用させる
→食べるペースが早いので、一回量を少なくすると言う意味では正しいです!

5. 患者の左空間に皿を置く。
→意味不明です。

と言うことで答えは4になります!



第10問目

70 歳の女性。Parkinson 病。Hoehn & Yahr の重症度分類ステージⅢ。自宅で頻回に転倒し、日常生活に支障をきたすようになった。
この患者に対する指導として適切なのはどれか。

1. 直線的な方向転換をする。
2. 歩行時に体幹を屈曲する。
3. 車椅子駆動の方法を指導する。
4. リズムをとりながら歩行する。
5. 足関節に重錘バンドを装着して歩行する。

解説

パーキンソン病の問題です!
ステージⅢは姿勢反射障害が出現する状態です。故に転倒が頻回となっているんです。

自分が受けた国家試験もそうでしたが、パーキンソン病の問題は、Hoehn & Yahr の重症度分類無動・固縮・安静時振戦を覚えてしまえばほぼ確実に解ける問題ばかりなのでバッチリ覚えて起きましょう!

Hoehn & Yahr の重症度分類は全て覚えるのが理想的ですが分類の数字が大きくなるに連れて動けなくなっていくんだなと言うことだけはしっかりと頭に入れておきましょう!!!

Hoehn & Yahrの分類

1 症状は片方の手足のみ
症状は両方の手足に出現
姿勢反射障害の出現
日常生活に部分的な介助が必要
生活の全般的な介助が必要

大体、国試の傾向としてはⅢからが肝になります。
Ⅲから症状が大きく変わってくるのでここはしっかりと抑えて起きましょう!!!

問題
1. 直線的な方向転換をする。
→直線的でもその場での方向転換でも転びます。なんの解決にもなってません。

2. 歩行時に体幹を屈曲する。
→意味不明。屈曲姿勢をとると突進様現象を強めて前に転びます。

3. 車椅子駆動の方法を指導する。
→まだ歩ける段階なので早すぎます。

4. リズムをとりながら歩行する。
→リズムをとったり、目印をおくことで歩行改善が認められます。初めの一歩が出やすくなります!

5. 足関節に重錘バンドを装着して歩行する。
→えーと、これは運動失調のお話なので意味不明です。

ということで答えは4となります。

第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説!〜共通問題〜

ここからは午前中の共通問題の中からいくつか抜粋して解いて見ました!
専門問題同様、図の問題は、貼り付けられないので割愛させてもらいます!!!

第64問目

呼吸生理の説明で正しいのはどれか。

1. 呼吸中枢は視床下部にある。
2. 外肋間筋は安静呼吸の呼気筋として作用する。
3. 内呼吸とは肺胞と毛細血管との間のガス交換をいう。
4. 動脈血二酸化炭素分圧が上昇するとヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる。
5. 頸動脈小体は動脈血酸素分圧よりも動脈血二酸化炭素分圧の変化を感知しやすい。

解説

呼吸生理学です!
呼吸とか循環器とかって非常に難しく解くのが億劫になりますよね!

なお
なお
自分も学生時代は意味不明すぎて全然ダメでした。

ただ、やはり臨床に出てから非常に重要で(特に急性期病院で働く上で)覚えておかないと
呼吸器系、循環器系、脳血管系の患者さんに対するリスク管理を行えなくなってしまいます。

非常に重要な問題なのでしっかりと覚えておきましょう!

呼吸生理の解くポイントを箇条書きでまとめます!

・呼吸の中枢は橋、延髄にある

・延髄腹側化学受容器は脳脊髄液の水素イオン濃度をモニターする

・中枢性化学受容器は橋、延髄のこと

・抹消性化学受容器は橋、延髄より先のこと

・抹消性化学受容器の頸動脈小体、大動脈小体は酸素モニター

・中枢性化学受容器は二酸化炭素モニター

・外呼吸は大気から酸素を取り入れ血液に送り込み二酸化炭素をだす

・内呼吸は細胞に酸素を送り、細胞内で排出された二酸化炭素を運び出す

これらは最低限でも覚えておかなければならない知識になります。
呼吸筋も問題は運動学のところにも出てくるかと思いますが安静吸気、安静呼気、努力吸気、努力呼気でそれぞれ使われる筋肉が変わってきます。
(勉強していれば、ここは当たり前のことを言っているだけですが)
筋肉の動きに関してもしっかりと覚えておかなければなりません!

問題
1. 呼吸中枢は視床下部にある。
→呼吸中枢は橋、延髄なので違います!

2. 外肋間筋は安静呼吸の呼気筋として作用する。
→外肋間筋は横隔膜と共に吸気に作用する筋肉になります。ちなみに呼気は呼吸筋の働きではなく、受動的に行われています。

3. 内呼吸とは肺胞と毛細血管との間のガス交換をいう。
→内呼吸は肺胞ではなく組織細胞と血液で行われています。

4. 動脈血二酸化炭素分圧が上昇するとヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる。
→体内にどんどんPaCO2が溜まる状態です。これが生じるとヘモグロビンから酸素が解離しやすくなり、結果、酸素をより体内に多く取り入れようとする反応が生まれ呼吸促迫を生じさせます。酸素を取り入れても取り入れてもヘモグロビンから酸素が解離してしまうため、呼吸困難になって行きます。PaCO2の貯留はCO2ナルコーシスを誘発させ意識障害を生じさせます。二型呼吸不全の状態です。

5. 頸動脈小体は動脈血酸素分圧よりも動脈血二酸化炭素分圧の変化を感知しやすい。
→頸動脈小体は抹消性化学受容器です。これは大動脈小体と共に酸素モニターとして働きます。

ということで答えは4となります。

国試を解くポイントは解説をつけられるようになること

いかがだったでしょうか!?
第55回作業療法国家試験を現役作業療法士が解き方を解説!と題して記事をまとめてまりました。

問題数は3つと少なかったかも知れませんが現役の作業療法士がどのように国家試験を解くのかの過程が少し知れたのではないでしょうか!?

国家試験を解くポイントは1つ1つの問いに対して解説をつけられるようになるまで勉強をすることだと思います。

そして問いをしっかりと読み込み勘違いしないことが大切です。
間違っているものを選べ』なのに『あってるものを選んでしまった』は結構本番でもあるあるなことです。

問題は2〜3回繰り返し読み間違っているものを問われているのか、あっているものを問われているのかをつけても良いかと思います。

なお
なお
実際に自分が国試を受ける時は○をつけて確認をしてました。

国家試験を受けるまでが勉強の時間です。
1分1秒を大切に過ごしていただき、後悔が残らないように本番を迎えて下さい!

このブログを読んで頂いている全ての人のもとに合格が舞い降りることを心から祈っております!

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
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などを書いています。気になる記事がありましたら是非、覗いてみて下さい。

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