こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。
ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!
大腿骨頚部骨折は高齢の方に多い骨折の1つです。
そんな大腿骨頚部骨折ですが、やってしまったら『最後』寝たきりになってしまう。っと思っている方っていませんか?今の医療では、決してそんなことはないです。
リハビリをやる人のやる気さえあれば必ず歩けるようになります!
大腿骨頚部骨折のアレコレをまとめていきたいと思います。
是非、参考にして頂きリハビリに励んで頂ければと思います!
大腿骨頚部骨折のリハビリを詳しく説明します
まず、大腿骨頚部骨折に関しての説明をします。
主に『転倒』により大腿骨の大転子(足の付け根)を強打したり、膝をついた際に大腿骨をひねることにより受傷することが多いです。
受傷の中でも転倒受傷が最も多く全体の75%で、その中でも家の中での受傷が60-75%で男女比は男性より女性が2.5倍多く、70歳以上で増加し、85歳以上では特に頻度が高くなります。
そして骨折の仕方に関してはいくつか種類があります。
それをお伝えしていきます。
大腿骨頚部の分類
骨折の種類を見分けるには病院に行き、レントゲンやCT、MRIにて診断していきます。
医学的に述べると関節包と呼ばれる部位を境に大腿骨頚部内側骨折(骨頭下骨折or頚部中間部骨折)、大腿骨頚部外側骨折(転子間骨折or転子貫通骨折)に分けることが出来ます!
大腿骨頚部内側骨折
股関節関節包内骨折のことを指します。骨粗鬆症を有する高齢者に多発する骨折とされており、骨癒合に難しい骨折とされています。
受傷の原因
・高齢者:骨粗鬆症をベースに転倒・大腿骨の捻れなど小さな外力でも折れる。
・若年者:交通事故や大転倒など、かなり強い外力が作用しないと折れない。
症状
・受傷直後、立てなくなり痛みの訴えがある。
・一般的には股関節伸展(足を後ろに伸ばした姿勢)・外旋肢位(わり坐の姿勢)をとり、患側は短縮し自力で動かすことが困難となる。(イメージとしてはお姫様座りの過剰版です)
分類
・用いられるのはGardenのStage分類です。この分類表を見ながら、どのくらい骨折が重症なのかを判断します。
治療方法
・Garden分類stageⅠ〜Ⅱ
転位なしとなります。自発痛はほとんどなく、他動的に動かしても痛みの増強はなし。
手術をせず経過観察となります。ベッド上で脚を牽引し安静にするのが基本ですが、骨のくっ付き具合により適時、起き上がり→座る→立つ→車椅子乗車→歩く事が可能となります。
・Garden分類stageⅡ
転位なしとなります。ただ痛みを伴っています。脚を動かすことが難しくなります。
手術を行い(ハンソンピンロックという手術)骨癒合を図っていきます。
・Garden分類stageⅢ
転位なしとありの中間になります。転位なしの場合、容易に整復可能であり骨癒合が期待できる状態を指します。ただ疼痛が伴い脚も動かせないので手術(ハンソンピンロック)は適応となります。
転位ありの場合、手術を行います。術式として人工骨頭となります。
・Garden分類stageⅣ
骨癒合がほとんど期待出来ない状態。手術となり、人工骨頭の適応となります。
❇︎全ての分類において年齢・内部疾患などの有無によっても治療方法は変わっていきます。
大腿骨頚部外側部骨折
関節包外の骨折。血流が豊富な海綿骨というものからなる。その為、内側部骨折より骨折の治癒条件は良くなっていきます。
受傷原因
・高齢者:転倒や大転子(脚の付け根)の直接的な打撲
症状
・症状や取りやすい姿勢は内側骨折と同様です。
・痛みや圧痛に関してはより外側に存在します。
・腫れたり、皮下出血も大転子部〜お尻に出現します。
分類
・用いられるのはEvansのStage分類です。Garden同様、この分類表に基き骨折の重症度を判断していきます。
レントゲンの前後像において内側皮質骨折の損傷の程度、整復操作を加えた際の整復位保持の難易度により分類とされています。
↓わかりにくかも知れませんが参考までにEvansの分類を載せておきます。
type1:骨折線は小転子付近から外側近位に向かう
group1)転位なく内側皮質の破砕もない
group2)転位はあるが整復は容易に可
group3)転位、内側皮質の破砕あり。整復困難。内反変形を生じやすい
group4)破砕が高度で内反変位が生じやすい
type2:骨折線は小転子付近から外側遠位に向かう
group1)破砕は軽度であるが、整復困難
group2)破砕高度で整復位の保持困難
治療方法
・安定型
保存療法:ベッド上安静にし脚を牽引していきます。適時、骨癒合の具合を見ながらベッドから起き上がるようにしていきます。
・不安定型
手術療法:手術を行なっていきます。この際に用いられるのがガンマネイルを用いた手術です。リハビリにて早期にベッドから起き上がり離れていくことが推奨されるようになってきます。
合併症
・骨頭部の壊死はほとんどないです。
・骨がずれてくっつく事も少ないが、骨折における内反・後捻変形は生じやすいです。
手術後のリハビリの流れ
では実際のリハビリの流れに関して書いていきたいと思います。
手術後1日目
術後の状態:
・排液の為のドレーンが挿入されていたり、尿カテーテルが挿入されている状態です。
術後のリハビリ:
・ベッド上でリハビリを行います。手術した脚を動かしていきます。状態にもよりますが基本的に1日目よりベッドに腰かけて車椅子乗車まで実施します。
その為、履物などは是非用意しておいてください。どんな履物が良いか迷った際はリハビリ靴、介護靴、ケアシューズ「あゆみ」の専門店【らくてく】をみてください。
ここの靴を使用されている方は多く、家に帰ってからもスリッパより断然良い履物となっております。
・リハビリ担当者は頻回に血圧や脈拍、酸素の値を見ます。状態を慎重にチェックしながら進めています。
・比較的動ける方は、トイレ練習や更衣動作練習なども初めていくケースもあります。
手術後2日目
術後の状態:
・動けてしまう人なら尿カテーテルは抜いてしまう方もいます。排液ドレーンに関しても排液してなければ医師・看護師が抜きにくるかと思います。
術後のリハビリ:
・リハビリ室でリハビリが開始されます。
病院にもよりますが、20分、20分×2回、40分×1回のどれかを行います。
行うリハビリも理学療法だけや理学療法+作業療法など病院によって異なります。(患者さんにとって良いのは理学療法+作業療法の組み合わせだと思いますが)
・理学療法
手術側の脚を曲げる・伸ばすの練習、筋力練習、立ち上がりの練習、平行棒などで歩く練習を行います。
全て痛みやバイタルサインを見ながら行なっていきます。
・作業療法
日常生活上の動作練習を主に行なっていきます。また、人工骨頭の手術を受けた方に対しては脱臼しない姿勢などをお伝えしていきます。
リハビリ内容は立位保持の練習であったり、トイレ動作練習、更衣動作練習、主婦業再獲得の練習、床からの立ち座り動作練習などを行なっていきます。
大腿骨頚部骨折に対して人工骨頭置換術(BHA)を受けられた方への指導
・解剖学的に股関節の屈曲・内転・外旋は禁忌です。絶対とってはいけません。
・日常生活上では内股禁止、割り坐禁止、お姫様座り禁止、しゃがみ込み禁止、沈み込むソファーに座ること禁止、低い椅子に腰掛けること禁止、正座要注意となります。
・靴下を履く際も下に手を伸ばす、手術をした足を持ち上げるなどは基本的には行わない方が良いです。どうしても靴下が履けない方はソックスエイド 先割れタイプ L32720を使用するのも非常に良いです。
作業療法も理学療法同様に痛みやバイタルサインを見ながら行なっていきます。
上記の動作は一気にやって行くのではなく、段階的に取捨選択・評価を行いながら、その人に合わせてリハビリを実施していきます。
手術後3〜4週
・歩行安定、日常生活動作自立、手術側の脚の機能改善をして退院が目標。どうしても自宅他院が難しい場合はリハビリ病院に移りリハビリを行うことになります。
・自宅退院が行えた方に対しては状態に応じ適時、外来にてフォローアップしていきます。
リハビリ意欲があれば歩ける確率は非常に高い!
いかがだったでしょうか!?
大腿骨頚部骨折のリハビリを詳しく説明します|歩きたい方必見!と題して記事をまとめてきました!
今回のブログのまとめです。
・転倒により受傷しやすい。
・骨折の分類を見ながら治療方針を決定する。
・手術後のリハビリは早期より開始され在宅復帰を目標に進められる。
大腿骨頚部骨折は正しい治療さえ行えば、高確率で再度、歩けるようになる骨折です。
寝たきりにもなりませんし、骨折し手術を受けリハビリをし、元気に家に帰られ趣味を再開された方やスポーツクラブに復帰された方も多数います。
『大腿骨頚部骨折=寝たきり』は間違った考え方と今回のブログを読んで頂き少しでも感じて頂けたら幸いです。
以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
他にもリハビリのことに関して
などの記事も書いています!
ご興味のあるものがあれば是非、覗いてみてください!
きっとお役立て出来ること間違いなしです。
少しでもあなたの未来が良い方向に向かうことを祈っています。
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