医療コラム

患者さんを理解する為の情報収集項目|医療従事者・学生にオススメ!

こんにちは!なおです!
このブログは『医療現場で得た後悔しない為の生き方』『作業療法学生と若手に作業療法の考え方』『生活と暮らし』を柱に人生頑張っている方に向けて情報発信をしていくブログです!
ブログ×ツイッターを通し様々な方と楽しみながらコミュニケーションを取れればなと思っています!

なお
なお
患者さんを理解していくにあたって、どの情報を集めていけば良いのか分からない。今回は、そんな悩みを持たれている方にオススメの記事です!

カルテや患者さん本人から情報収集をする際、何を集めていけば良いのか分からなくなってしまう人もいるかと思います。

そこで今回、実際に総合病院に勤務して9年目の作業療法士の立場から“これだけは絶対に収集しておくべき項目”をお伝えしていきます!

現役の医療従事者の方やこれから病院実習を控えている学生さんにもお役立て出来るかと思います。

是非、最後まで目を通して頂き情報収集のプロになって下さい!

患者さんを理解する為の情報収集項目

患者さんを理解する為の情報収集項目は、以下のようになります!

・現病歴

・既往歴

・アレルギー

・血液データ

・レントゲン、CT、MRIの画像

・内服薬

・介護保険やサービス使用の有無

・キーパーソン

・家屋状況

・家族構成

・歩行手段

・移動手段

・病前、受傷前ADL

・仕事内容

・趣味

・現在困っていること

・今後どうなっていきたいか(聞く際は、心理状態に要注意)

これらの項目だけは絶対にカルテや患者さん本人または家族や身内から収集するようにして下さい。

なお
なお
これらの情報を集められれば患者さんの事をしっかりと理解出来るはずです!

では、上記の項目1つずつ具体的に収集するポイントを解説していきます!

現病歴

現病歴は入院に至るまでの経緯です。
5W1Hを意識しながら収集していきましょう!

なお
なお
いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのようにです。

具体的には

いつ:発症、受傷の時間

どこで:場所。家なのか、外なのか

だれが:患者さん

なにを:脳梗塞なのか骨折なのか

なぜ:予兆があったのか、不明なのか

どのように:突然倒れた、車にはねられた、転んだ

これを意識しながら組み立てましょう!

例文
A月B日午後C時、外出先でDさんが自電車を漕いでいた所、突然現れた車と衝突。4m飛ばされたのちに意識消失。E時に救急要請。救急車が到着するとDさんは意識あり。F時に当院へ搬送。大腿骨骨幹部骨折にて緊急入院となる。

こんな風に情報収集が行えると完璧です!

既往歴

もともと持っている病気や怪我の情報収集をしましょう。

これを聴取することで

・もともとあった症状が理解出来る

・医療処置が安全に出来る

ようになります。

例えば

透析をしている人には大方、シャント術が施行されています。シャント側での採血や血圧測定は禁忌です。既往歴を聴取しておけば禁忌を避けることが出来ます。

もう一つが

ペースメーカーや脳動脈クリッピングがある方はMRI禁忌です。ペースメーカーや脳動脈クリッピングがあるにも関わらず既往歴を聞かずMRIを撮ってしまったら患者さんがお亡くなりになってしまう可能性があります。

二次的な被害を防いだり患者さんの状態を正しく理解するために必ず集めておかなければならない情報が既往歴です。

アレルギー

アレルギーに関する情報収集をしましょう!
情報収集しておかないと患者さんを無駄に苦しめてしまう可能性があります。

主に聴取しておくべきアレルギーは

・アルコール

・金属

・ラテックス(ゴム)

・食べ物

・薬

です。

例えば

・アルコール綿を使ってしまうと、かぶれてしまう人がいます。

・聴診器を肌に当てただけで赤くなってしまう人もいます。

・採血の際、ゴムの駆血帯を使ってしまったが故に皮膚が赤く腫れ上がってしまう人がいます。

・甲殻類アレルギーがあるのに甲殻類を使った食べ物を食べてしまったが故にアナフィラキシーなどを引き起こしてしまう人がいます。

・薬の飲みあわせで具合が悪くなってしまう人がいます。

など、様々な二次被害を起こしてしまう可能性があります。
安全で安心した医療を提供できるようにアレルギー関係はカルテや本人から聴取して知っておきましょう!

医療現場において“知りませんでした”は通用しない事をしっかりと理解しておきましょう!

血液データ

患者さんのことを正しく理解する為にも血液データの情報をしっかりと収集しましょう!

特にどんな患者さんでもセオリーでみるデータは

・CRP・・・炎症の値

・WBC・・・感染の値

・Hb・・・貧血の有無

・Ht・・・貧血の有無

・Alb・・・栄養状態

・K・・・電解質バランス

・Na・・・電解質バランス

です。

なお
なお
最低限、上記の項目は見ておいた方が良いですし基準値も知っておいた方が良いです。

基準値より高いとどうなるのか、基準値より低いとどうなるのか。ここをしっかりと理解しておく事で患者さんの状態を正しく理解することが出来ます。

また、心臓が悪いなら心臓に関する血液データ、肝臓が悪いなら肝臓に関わる血液データ、脳血管疾患なら脳血管疾患に関わる血液データなど疾患によってみる項目も変わってきます。

目の前の患者さんがどんな症状で入院しているのかを知っておくと血液データをさらに読み解いていくことが出来ます。

レントゲン、CT、MRIの画像

レントゲンを撮っているのならレントゲンを見る。
CTを撮っているのならCTを見る。
MRIを撮っているのならMRIを見る。

患者さんを知る上では、大切な情報収集の1つになります。

画像系を見ることで出現しそうな症状をある程度予測することが出来ます。

例えば

・肺が真っ白なら息苦しさが強い可能性がある。

・心臓が肥大していれば足が浮腫んでいる可能性がある。

・前頭葉に脳梗塞があれば抑制が効かなくなっている可能性がある。

など症状の予測を立てながら患者さんに会いにいくことが大切です。

また、画像と一緒に医師が分析したレポートなども書かれている場合があります。

それを参考にしながら“どんな症状で患者さんが苦しんでいるのか”を予測しながら患者さんに会いに行くようにしてみてください!

予測を立てて患者さんに会いにいけば無駄に患者さんに辛い思いをさせずに済みます。



内服薬

内服薬に関してもしっかりと情報を収集しておきましょう!

特に知っておくべき内服薬の種類は

・血圧管理の薬

・眠剤

・血液をサラサラにする薬

・尿を促す薬

・精神症状を抑える薬

です。

これらの使用の有無を知っておくことで患者さんの状態を正しく理解したり、異変により早く気づくことが出来たりします。

例えば
・血圧を下げる薬を使っているにも関わらず高血圧が続いている。
・眠剤の影響で日中もぼんやりしてしまっている。
・血液をサラサラにする薬を使っているから内出血が出来やすい。
・おしっこが出すぎてしまっているせいで頻脈になっている。
・入院前は精神症状を抑える薬を使っているのに今回の入院では使用していないから興奮している。

など症状の予測や異変に気づくことが出来ます。

なお
なお
薬は非常に多く存在し様々な名前がつけられています。担当した患者さんの内服薬を聞き1つずつ何に作用させる薬なのかを調べながら覚えていくのが良いかと思います!

異変があるのならすぐに医師に報告することで患者さんを楽にすることや適切に日中を過ごせるようになったりします。

介護保険やサービス使用の有無

介護保険やサービス使用の有無を情報収集しておくことも大切です!

・要支援なのか要介護なのか

・訪問看護を使っていたのか

・訪問リハビリを使っていたのか

・デイサービスを使っていたのか

・ホームヘルパーを使用していたのか

などを知ることで患者さんがどのように今まで過ごして来ていたのかを知ることが出来ます。

また退院に向けて介護度の見直しや今後必要になりそうなサービスの導入も考えながら患者さんの事を支援・援助することが出来るようにもなります。

必ず聴取しておく事をオススメします!

キーパーソン

キーパーソンも必ず情報収集しておきましょう!

第一連絡先は誰なのか、主に患者さんを介護していくのが誰なのか。

そこを知らないと患者さんのことを誰に伝えていけば良いのか分からなくなりますし、キーパーソン以外の人に情報を伝えても再度キーパーソンの人に同じ情報を伝えることになり二度手間になってしまうこともあります。

必ずキーパーソンが誰なのかを明確にしておきましょう!

家屋状況

家屋状況も患者さん本人や患者さんの家族、患者さんの事を良く知る身内・友人などから情報収集しておきましょう!

主に収集するべき情報は

・戸建なのかマンションなのか

・戸建なら何階建なのか(寝室がどこか)

・マンションやアパートならエレベーターの有無や何階に住んでいるか

・最寄りの駅からどのくらい離れているか

・家の周りに砂利道や坂道があるのか

・家の中に段差があるのか

・ベッドなのか布団なのか

・床生活なのか椅子生活なのか

・風呂の高さ(大きく跨ぐのか跨がないのか)

などです。

ある程度、今までの生活状態(健康であった時の)を把握した上で患者さんと関わっていかないと、いざ病気や怪我が治り退院出来るとなっても生活できるような環境になかったら帰ってから困ってしまうのは患者さんです。

家屋状況を事前に聴取しておくことで社会的なサービスを入れたり、福祉用具を入れたりしながら環境を整えていくことが出来、患者さんをより安全に家に返すことが出来るようになります。

いざ退院出来るとなってから医療従事者も患者さんも慌てないように家屋状況の情報はしっかりと集めておきましょう!

家族構成

家族構成も知っておきましょう!
病気が怪我が治っても健康な時の状況であるとは必ずしも限りません!

なので

・独居なのか

・日中誰か家にいるのか

・介護出来る人がいるのか

・独居だとしても近隣に手伝ってもらえる人がいるのか

・完全に身寄りがないのか

家族構成を知っておくことで患者さん家に帰れるのか帰れないのかを判断することが出来ます。

安全に家に帰れるのであれば家に帰ってもらえば良いですし安全に帰れないのであれば退院先を早めに検討していかなければならなくなります。

早め早めの行動が早い退院へ患者さんを導くことになります!

歩行手段

どのように歩いていたのかを把握することも大切です!

知る内容としては

・何も使わず歩いていたのか

・伝い歩きで歩いていたのか

・杖を使って歩いていたのか

・シルバーカーを使って歩いていたのか

・歩かず車椅子を使っていたのか

・そもそも起き上がる機会がないのか

を知ることで安全な歩行手段を予測しながら患者さんと関わることが出来ます。

なお
なお
院内における転倒予防にもつながります。

例えば家ではシルバーカーを使って歩いていたのに、それを知らずに病院では脇を抱えて歩かそうとした。結果、歩けなかった。

それは当然のことですし躓いて転んでしまう可能性も非常に高くなってしまいますよね!

患者さんを転ばせないようにする為や適切に元の歩行レベルに戻れるように支援していく為にも重要な情報になります!

しっかりと情報収集しておきましょう!



移動手段

歩行以外にも移動手段を知ることも重要です!

ここで言う移動手段とは外出時におけるものです。

・自転車を使っていたのか

・バイクを使っていたのか

・車を使っていたのか

・公共交通機関を使っていたのか

・徒歩中心で移動していたのか

これらを知ることで病気や怪我が治った時に再度、上記の移動手段が使えるのか使えないのかを考えていくことが出来ます。

元の移動手段が使えるのなら何も問題ありませんが、元の移動手段が使えない場合どうしていくのかを考えていかないと、外来に通えなかったり、大きな事故を起こしてしまう可能性も出てきてしまいます。

症状改善とともにどうしていくかを医師やソーシャルワーカー、患者さんや患者さんの家族と話し合い適切な移動手段を使えるように整えていくことが重要となります。

病前、受傷前ADL

健康な時の日常生活をどうしていたのかを知っておく必要があります。

・食事

・整容

・更衣

・トイレ

・入浴

・歩行

・階段

・起き上がり

・座位

・立位

・移乗

・家事全般

・買い物

などをどうしていたのかを知ることで患者さんの事をより理解していくことが出来ますし、退院に向けて整えていかなければならないことも見えてきます!

どうやって生活していたかの情報取集は積極的に行っていきましょう!

仕事内容

仕事内容に関しても情報収集していきましょう!

・デスクワークなのか

・動き回る仕事なのか

・人とコミュニケーションを取る仕事なのか

・重たいものを持つのか

・精密なものを管理するのか

などを知ることで病気や怪我が治った後、復職出来るのか出来ないのかの判断もすることが出来ます。

なお
なお
健康な時は、バリバリ仕事をしていたけど病気をきっかけに元の仕事には戻れなくなった。けれども子どもいるし稼ぎをなくす訳にはいかない。どうしよう。と困っている患者さんを何も考えず病院から退院させてしまうのは、あまりにも可哀想ではないですか? 仕事内容を知っていれば、せめて出来そうな仕事を提案してあげるぐらい出来るかと思います。

また、仕事内容を知ることで患者さんがどのように過ごしてきたのかや患者さんの性格もある程度知ることが出来たりします。

情報として仕事内容も把握するようにしてみてください!

趣味

趣味を聞くことも大切な情報収集になります!

活気がない、落ち込んでいる、意欲がない。
そんな患者さんに少しでも楽しんでもらおうと考えた際、趣味を知っておけば導入することも可能になります。

健康的な時にやっていた趣味を再開出来ると自然に笑顔になれる患者さんは多いです!

なお
なお
もちろん失敗体験をさせる訳にはいかないので再開可能な趣味なのかを慎重に判断する必要があります。

また、趣味活動を再開するを目標に闘病生活が頑張れたりする患者さんもいます。

患者さんとコミュニケーションを取る上でも趣味を聞くと話が弾んだりもするので是非、積極的に聴取してみることをオススメします!

現在困っていること

今困っていることの情報収集は積極的に行いましょう!
情報収集することで少しでも患者さんのストレスを軽減させてあげることが出来ます。

患者さんに困りごとを聞くと

・眠れなくて困っている

・食欲がなくて困っている

・トイレに行けなくて困っている

・痛みがあって困っている

・歩けなくて困っている

など必ず様々な困りごとが聞けるはずです。

患者さんの気持ちを少しでも理解する為にも困りごとは聴取しましょう!

その場で解消できることはその場で解消出来るように医師に報告したり、環境を整えてあげたり、手伝ってあげるようにしましょう!

なお
なお
そうすることで患者さんと適切に信頼関係も築いていけるようになります。

その場で叶えてあげられない困りごとなら、それを叶えてあげられるように支援してったり、寄り添ってあげるようにしてみましょう!

そうすることで少しでも患者さんの不安や焦りを解消することが出来るようになります。

患者さんの気持ちを少しでも理解していけるように困りごとは、毎日、毎日聴取してっても良いかと思います!

今後どうなっていきたいか(聞く際は、心理状態に要注意)

今後どうなっていきたいかの情報を収集することも大切です。

大切なんですが病気を発症して間もない時期や怪我をして間もない時期に聴取すると、患者さんを混乱させてしまったり、ショックを与えてしまう可能性もありますので注意が必要です。

なお
なお
下手な聴き方をしてしまうと患者さんと適切な信頼関係が築けなくなってしまう可能性もあります。

ある程度時期をみて心理的に落ち着いてきたなというタイミングで患者さんや患者さんの家族に聴取し、聞かれた内容からサービスを整えていったり、環境を整えていったり、退院先を検討していったりしましょう!

今後どうなっていきたいかを聴取しないと医療者側のエゴが乗りやすくなってしまったりしてしまいます。

なるべくエゴをなくせるように患者さんの希望を聞けるような関わりが出来ると良いかと思います!

情報収集することは沢山です!

患者さんの事を少しでも理解していきたい場合は、非常に多くの情報を集める必要があります。

なお
なお
情報収集するのは決して楽なことではありません! 

上記の項目を見て頂ければ分かるかと思いますが一度で全ての情報を集めるのは不可能です。

少しずつ関わり合いながら患者さんを知っていく努力をしていくことが大切です。
雑談を雑談で終わらせては行けません。雑談の中にこそ大切な情報があったりします。

イメージとしては、自分の好きな人を想像してください。
自分の好きな人のことなら何でも知りたいと思いませんか?

そして好きな人のことって一瞬では判断できませんよね?
関わり合いながら様々な質問をしたり、話し合ったり、行動を観察するうちに少しずつ分かっていくものですよね!

患者さんもそれと同じです!
好きな人のことを知っていくようにたくさん患者さんと関わり患者さんのことを知るようにしてみてください!

そうすれば、どんどん情報というのを貯めていくことが出来、より適切な支援・援助が行えるようになります!

一瞬一瞬を大切に情報収集をしてみて下さい!

いかがだったでしょうか!?
患者さんを理解する為の情報収集項目|医療従事者・学生にオススメ!と出してブログをまとめてきました!

なお
なお
一瞬一瞬を大切に情報収集をしてみて下さい!

一瞬一瞬を大切に情報収集さえ出来れば適切に欲しい情報収集を行うことが出来るようになります。

患者さんによって取るべき情報も違います。
全て型にはめ込むのではなく目の前の患者さんをより良く支援・援助をしていくための情報収集をしてみて下さい!

情報収集=患者さんを知る

です!

ぜひ、このブログを参考に日々の臨床や実習の際に役立ててみて下さい!

以上、本日のブログでした。
本日も観てくださっている方、本当にありがとうございました。また、時間がある時に気軽に観にきてくださいね!
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1人で悩まず一緒に歩んでいきましょう!

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