リハビリコラム

臨床実習指導者講習会を作業療法士9年目が受けた感想をお伝えします

こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。

ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!

なお
なお
今回は、これから臨床実習指導者講習会を受けようと思っている作業療法士・理学療法士の方に向けて受けてみた感想をお伝えしていきます!どんな講習会なのかを知って頂けたらと思います!

これが実際の修了証になります。
(名前やら登録番号は隠させて頂いています。生年月日だけは、公開しているので載せておきます)

臨床実習指導者講習会とは、2020年4月から作業療法士・理学療法士養成校(大学、専門学校問わず)に入学する入学生に対して実習指導を行う際に必要となる講習会になります。

なお
なお
なので実質的に、この講習会を受けていないと今後、学生さんに対して実習指導を行う事が出来なくなってしまいます。なので実習生さんは守られる存在になり質の悪い実習指導者はどんどん排除されていきます。

実習指導者講習会を受ける条件としては、作業療法士・理学療法士免許を受けた後、実務経験が満4年以上(5年目から)である、PCを持っている、講習会を完全受講が出来るとなっています。

なのでしっかりと作業療法士・理学療法士の臨床経験を積んでこないと受けれない講習会となってます。

では、早速どんな講習会だったかを書いていきたいと思います!
是非、色々と参考にしてみて下さい!

作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会ー概要ー

作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会は、いくつかのグループに分かれ各グループに世話人と呼ばれる先生方が付き2日間に渡り行われる講習会になります。

1日目が9:30〜19:35まで
2日目が9:00〜16:05まで

となっており非常に長丁場な講習会となります。
講習会の内容内訳は講義330分、演習630分行う事が定められています。

なお
なお
完全に全ての講習を受けなければ受講完了にならず修了証も貰えません。

どんな講座があるかというと

・オリエンテーション

・臨床実習制度論

・臨床実習指導方法論

・学生評価方法論

・コーティング、ティーチング

・ハラスメント

・多職種連携

・事例報告作成

・参加型臨床実習の理解

などがあります(上記は一部抜粋です)。

どの内容も興味深く学びごたえがあります。

基本的には楽しく学べるので重く堅苦しい講習会ではありません!

なお
なお
この講習会を乗り越えてやっと学生さんに対して実習指導が行えるようになります。

より良い人材育成、実習指導を行なっていく為には、なくてはならない講習会だと感じました。

そもそも、この実習指導者講習会がなぜ行われるようになったのかをご存知ですか?

この講習会を行う事になった背景にはある都道府県で起きた指導者のパワハラによる学生死亡事件がきっかけとなっています。(国会でも問題提起され実習そのものを見直すように各協会に通達されています。)

自分達の頃の実習は、非常にブラックな実習であったことは間違いありません。

よく聞く苦労話には

・実習中(2ヶ月×2回)の睡眠時間が平均3時間

・病院、施設に着いたらまずセラピストへのお茶出しをしなければならない

・大量の課題を突きつけられる

・頑張ってまとめたレポートを目の前で破られる、捨てられる

・スタッフや患者さんの前で罵られる

・定時を超えても帰れない(帰るのが終電ギリギリ)

・飲み会への強制参加

・無欠席、無遅刻、提出物遅れもないのに実習不合格

・養成校も実習に落ちたら学校に残れる猶予があり猶予を超えると強制退学

などがあります。

なお
なお
人として扱ってもらえてなかったなと感じている人も多いかと思います。

上記のような実習を根絶させようと新たな取り組みとして実習指導者講習会が始まっていきました。

自分達と同じような辛い思いをする人が1人でも居なくなっていく事にホッとしています。

そしてこの講習会を実習指導者が受ける事によって、作業療法士・理学療法士の実習方法が統一され、より質の高いセラピストを世の中に輩出していくことが出来るようになります。

世の中に良い還元ができるようになるので、非常に良い取り組みかと思います。

なので5年目以降の方は、適切な実習指導(後輩指導)を学ぶことや質の高いセラピストを生み出していけるようにする為にも是非、受けて欲しい講習会になります。



作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会ー感想ー

では、実際に受けてみた感想をまとめていきたいと思います。

・臨床実習がどのような位置付けにあるかを詳しく学べる

・グループディスカッションが多く様々なセラピストの価値観を共有出来る

・集中力を非常に必要とされる講習会である

・適切に実習生を評価する方法を知る事が出来る

・講師の先生方もベテランが多く為になる話を沢山してくれる

が感想です。
具体的にどういうことかを1つずつ解説していきます。

臨床実習がどのような位置付けにあるかを詳しく学べる

作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会を受けてみて、臨床実習がどのような位置付けにあるかを詳しく学べました。

具体的にどういうことかというと

・臨床実習を行なっていく意義

・臨床実習を行なっていく大切さ

・教育のあるべき姿がどのようなものか

・何を重点的に学んで貰えば良いのか

・現在の学生が抱えやすい問題点

・近年の臨床実習に関する背景

・実習指導に関する取り組みの変化

・実習を行なっていくにあたっての問題点

・厚生労働省とのやりとり

など、臨床実習を適切に行なっていく為の歴世的な背景や現状のことを詳しく知ることが出来ます。

自分の知らなかったことや刻々と変化している実習教育体制を知ることで何を重点的に指導していかなければならないのか、どう物事を伝えていかなければならないのかを学ぶことが出来ます。

これは、やっぱり講習会に出ていないと学べないことであり非常に有意義な時間になったなと感じれます。

実習指導を行うにあたっては、ただ漠然と教えていくだけではダメです。
バックグラウンドを捉えた上で自分に対しての課題も考えつつ修正しながら指導を行なっていくことが大切なんだと強く感じました。

グループディスカッションが多く様々なセラピストの価値観を共有出来る

作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会を受けてみて、グループディスカッションが多く様々なセラピストの価値観を共有出来ることが良かったなと感じます。

なお
なお
とにかくこの講習会ではディスカッションの嵐です。

ディスカッションした内容は

・臨床実習で何を学んで欲しいと思ってますか

・実習指導で心がけているポイント

・見学ー模倣ー実践を原則とした実習指導方法のメリット

・実習中に起こるハラスメント事例はどのようなものか

・ハラスメントに対する対応策はどのようなことが出来るか

・学生評価する際、重きを置いている点は何か

・臨床実習に来るまでに学生に備えておいて欲しいことは何か

・実習で問題が生じた学生はどのような学生だったか

・問題が生じた学生にはどのように対応したか

など、上記以外にも本当に多くのディスカッションが行われ発表もあります。

ディスカッションする相手も5年目以降の人達になるので、今まで経験してきたこと体験してきたこと自分なりに大切にしている価値観自分なりに考えて実践している指導方法など深い内容を聞くことが出来ますし自分の考えを聞いてもらうことも出来る場が整っています。

また、自分の意見を言っても否定されることは全くありません。
なので安心して自分の思っていることを伝えられる環境にはあります。

自分が今まで行なって来たことが『正しいのか間違っているのか』を確認することが出来ます。そして、より効率の良い指導方法や実習生さんへの物事の伝え方も学ぶことが出来るので実習指導の質を上げていくことが出来ます。

自分の中にない価値観に沢山触れられるので非常に充実した時間を過ごすことが出来ます。

集中力を非常に必要とされる講習会である

作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会を受けてみて集中力を非常に必要とされる講習会であることを感じました。

なお
なお
講習会自体はとても為にはなりますが何せ長い!とにかく集中力と体力を必要とします。

講習会中は、適時休憩はあるもののとにかく集中力を保つのが大変です。
いかに集中力を保ちなが講習会を受けられるかで学べる多さも変わって来ますし発言内容も変わってくるかと思います。

そして、疲れてくると物事を考えたくても物事が考えられなくなってしまったり、相手が何を言っているのかが正しく理解出来なくなります(←自分がそうでしたw)

なので講習会を受ける前日は、しっかりと睡眠を取り講習会の始まる前には甘いものを買っておくことや覚醒出来るもの買っておくと上手く1日を乗り越えていけるようになるかと思います。

また休憩時間中は携帯などをいじることなく、机に突っ伏して目を瞑り休んでしまうというのも手だと思います。

なお
なお
とにかく学校で講義を受けるよりはるかに疲労度が高いです。

『疲れる』『集中力が続かない』この2つのワードを念頭に置きながら実習指導者講習会を受ける前に自分なりの対策を立てておくことをオススメします!



適切に実習生を評価する方法を知る事が出来る

作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会を受けてみて適切に実習生を評価する方法を知る事が出来ます。

今まで実習指導者講習会を受けなくても臨床経験を3年以上行えば指導者として実習生さんを指導することが出来ていました。

なお
なお
なので実習生さんを指導していくにあたっては、指導者個々の価値観で物事が進められ、決定されることが多かったかと思います。

実習指導を行うにあたっての統一性が全くない状態でした。

結果、指導者の価値観だけで物事が進められ指導者によって実習生さんの評価が大きく変わってしまう状況がありました。

具体的にどういうことかというと

例えば実習生Aさんと実習生Bさんが居て同じような能力で同じような行動をして来たのにも関わらず指導者AはAさんのことを合格にし指導者BはBさんの不合格にしてしまう。

今までは、上記のことが容易に起こっていました。
その為、学校を卒業し現場に出てからの能力差が大きく生じていました。

ですが、この実習指導者講習会を受けておく事によって、様々なセラピストの価値観を共有する事が出来る他に一定の指導内容・指導するポイントを全員が学ぶことが出来るので価値観の差による合格・不合格を減らしていくことが出来るかと思います。

なお
なお
指導者側も自信を持って適切に実習生さんを評価していくことが出来るようになります。

結果、一定水準を満たした実習生さんを卒業させることが出来、新人セラピストとして各病院・施設が受け入れた際の能力差も少なくなっていくことが考えられます。

一定の教育が行えるようになる為にも実習指導者講習会は受けることをオススメします!

講師の先生方もベテランが多く為になる話を沢山してくれる

作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会を受けてみて講師の先生方もベテランが多く為になる話を沢山してくれます。

なお
なお
ベテラン作業療法士・理学療法士の先生方の『上手くいった指導方法』『上手くいかなっかった指導方法』などのエピソードも聞けて面白い場面がいくつもあります! 

勉強会に行っても中々直接関わる事にないベテラン作業療法士・理学療法士の先生方。
実習指導者講習会では、世話人と言って各グループにベテランの先生方が1人付き様々な提言をしてくれます。

グループディスカッションにも世話人は加わるので、そこでも様々なエピソードが聞けますし、グループ発表の際も司会進行の先生から実習にまつわる様々なエピソードを聞くことが出来たりします。

様々な経験や体験を共有出来るので自分も実習指導を頑張ろうと思えたり、今までの指導方法でよかったんだなど様々なことを感じることが出来ます。

長丁場の講習会にはなりますが笑ありの場面もたくさんありますので、そんなに苦痛を感じることはないかと思います!

是非、5年目以降の方は受けてみてください

いかがだったでしょうか!?
作業療法士・理学療法士臨床実習指導者講習会を受けてみた感想と題してブログをまとめて来ました!

なお
なお
是非、5年目以降の方は受けてみてください!

今まで何となく行って来た実習指導も講習会にいく事で新たに自分の中に1本の軸を持って実習指導が行えるようになります!

より良いセラピストを世の中に輩出出来るように面倒くさがることなく講習会に参加してみて下さい。

講習会に参加することで本当に多くのことを再度学んだり新しく学ぶことが出来ます!
この記事を見てくれた方が実習指導者講習会を受けてくれたら良いなと心から感じます!

講習会を受けお互い後輩指導頑張っていきましょう!!!

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
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少しでもあなたの未来が良い方向に向かうことを祈っています。
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