リハビリコラム

作業療法実習でのボトムアップアプローチ・トップダウンアプローチ

こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。

ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!

実習においてボトムアップアプローチをすれば良いのかトップダウンアプローチをすれば良いのか分からない。どっちをやれば正解なの?

ボトムアップアプローチ(以下.ボトムアップ)とは、全ての検査・測定を行い問題点を抽出する方法です。

それに対してトップダウンアプローチ(以下.トップダウン)とは、患者さんの行いたいと思うことが『なぜ出来ないのか』を検査・測定を行い問題点を抽出していく方法になります。

なお
なお
それぞれにはメリット・デメリットが存在します。

今回はボトムアップとトップダウンのメリット・デメリットを紹介し最後に臨床実習ではどちらを行うべきかをお伝えします!

ぜひ、これから臨床実習を行う作業療法士学生さんや理学療法士学生さんは参考にしてみて下さい!

作業療法実習でのボトムアップアプローチ・トップダウンアプローチ

作業療法実習においては、1〜2人のケースを担当し検査・測定・治療を行い最後にはレジュメにまとめたりしますよね!

その検査・測定を行う際にボトムアップで行うかトップダウンで行うか迷う点かと思います。

なお
なお
ボトムアップを選ぶのかトップダウンを選ぶのかでアプローチの方法もレジュメの内容も大きく変わってきます!

ここではボトムアップのメリット・デメリット、トップダウンのメリット・デメリットを詳しくお伝えしていきます。

ボトムアップのメリット

ボトムアップのメリットを以下にまとめます!

・検査、測定の漏れがない

・患者さんの全身状態を詳しく知れる

・変化点を追いやすい

・実習生さん自身の勉強になる

・検査、測定に慣れることが出来る

がメリットとしてあげられます!
ボトムアップアプローチの良い点は、とことん患者さんの身体や心の隅々まで知ることが出来るところにあります。

また、実習生さん自身も検査・測定における経験も積めるので非常に勉強することが出来ます。

また問題点も上げやすく治療・支援する部分が明確になり『自分が今何に対してアプローチしているのか』の整理も行いやすく治療・支援することがブレないというメリットも挙げられます。

あの時こうしておけばよかった!

となりにくいのがボトムアップになります!

ボトムアップのデメリット

ボトムアップのデメメリットを以下にまとめます!

・時間が膨大にかかる

・問題がないものまで検査・測定を行う

・患者さんにストレスを与えてしまう可能性がある

・実習生さん、患者さんともに疲労が強い

・情報量が多すぎてしまう可能性がある

・実習生さんによっては整理するのが大変になる

がデメリットとして挙げられます。

ボトムアップは、検査・測定の取りこぼしはない分、非常に時間が掛かってしまうのが何よりの特徴です。

資格を取り作業療法士として何年も経験を積んだ人でも本気でボトムアップを行おうとすると30〜1時間ぐらい掛かるかと思います。

なお
なお
本当に冗談抜きで30〜1時間ぐらい掛かると思います。

それを実習生さんがやろうとすれば2〜3時間、何日間に掛けて検査・測定を行うことにもなるかと思います。

患者さんに疲労・ストレスが蓄積させてしまう可能性がありますし実習生さんにも疲労・ストレスが蓄積してしまう可能性があります。

デメリットを理解した上でメリットもあるのでバランスを取りながら進めることを意識しなければならないのがボトムアップです!



トップダウンのメリット

トップダウンのメリットを以下にまとめます!

・患者さんとの信頼関係を築きやすい

・コミュニケーションを多く取れる

・患者さんの『やりたい』を実現できる可能性がある

・患者さんらしい目標設定が行える

・検査、測定に多くの時間を要さない

がメリットとしてあげられます!

ボトムアップと比較して圧倒的にコミュニケーションが取りやすいですし喋らないという空間があまり生まれにくいのが特徴です。

またトップダウンだと面接→観察→検査測定→問題点の抽出→治療・支援の流れが基本です。

例えば

面接で『まずはトイレを1人で行えるようになりたい』と発言があるのなら、実際にベッドから起き上がり移動・トイレまでを安全を確保した上で行ってもらいましょう。大体は失敗or出来ないかと思います。それを患者さんに知ってもらうことも大切です。そこから『何でトイレが1人で出来ないのか』を考えるのが実習生さんの役割です。『筋力が弱いのかな』『感覚が鈍いのかな』『麻痺の影響なのかな』『姿勢の問題なのかな』『注意を集中させることが出来てないのかな』など考えられたら検査・測定を行いましょう!そこから得られた客観的な問題点を優先順位の高い順に並び替えて治療・支援を行う。

これがトップダウンのやり方です。
患者さんが達成したいものも聞き出せ治療ターゲットも明確にすることが出来ます!

トップダウンのデメリット

トップダウンのデメリットを以下にまとめます!

・想像力が必要

・評価の漏れが生じる可能性がある

・問題点を見落とす可能性がある

・患者さんが希望する以外の動作へのアプローチが不十分になる可能性がある

・達成できない目標を言われる可能性がある

・転倒、転落リスクも伴う

がデメリットとして挙げられます。

患者さんの面接・観察をした後、何が問題で動作が行えないのだろうを考える過程で想像力がボトムアップより必要になります。

今まで生きてきた経験や体験動作分析姿勢分析というところが非常に重要になります。

なお
なお
なので想像力がないとトップダウンで物事を進めていくのは大変になります。

その他にも患者さんの希望を叶えようとるあまりに希望以外の大切な生活動作に対してアプローチをし忘れてしまう可能性があります。

評価の漏れが出てきてしまったり

達成出来ない目標を言われてしまった時の対応力・対話力が必要になったり

動作1つ1つにリスクが伴ったりします。

自由度は非常に広いですがそれを収集する能力が求められるのがトップダウンになります!

作業療法実習では難しくてもトップダウンを選択する!

作業療法士12年目、実習生を指導したことのある立場から強くオススメするのはトップダウンで物事を進めていくことです。

なお
なお
ボトムアップは患者さんに対する負担が大きいですし臨床的には非常に非効率となることが多いです。

トップダウンを実習生のうちから行うのは非常に難しいと思います。
難しいと思いますが1人の患者さんとじっくり関われるのは実習生のうちぐらいです。

とにかく目の前の患者さん(ケースの人)が『何に困ってて』『どういう風になりたいか』を聞き出せるようになりましょう!

何に困ってて』『どういう風になりたいか』を実習生のうちから聞き出す能力を身につけていると必ず資格を取ってから役立ちます。

未来につながる行動を行っていきましょう!!!

実習中トップダウンを行うにあたっては

・患者さんに動作を行ってもらう前は必ず指導者の許可を取りましょう

・必ず指導者監視下で患者さんと接しましょう

・患者さんの希望が聞かれたら指導者に報告し方向性を話し合いましょう

・むやみやたらなこと、無責任なことは言わないようにしましょう

・評価結果、問題点の抽出、アプローチ方法は逐一指導者と相談しましょう

これらを意識して行っていきましょう!
これらが意識して行えれば安全に物事を進めていくことが出来、あなた自身の成長にも大きく繋がっていきます!

トップダウンを是非、行ってみてください!

リハビリは患者さん主体です

いかがだったでしょうか!?
作業療法実習でのボトムアップアプローチ・トップダウンアプローチと題して記事をまとめて参りました。

リハビリは患者さん主体です!

絶対に実習生さんやセラピストが主体にはなってはいけません。
患者さん自身が『こうなりたい・ああなりたい』と思えるように支援していくのが作業療法士の役割です。

誘導もしてはいけません!

選択権は全て患者さんにあります。

そのことは絶対に忘れてはいけません。
患者さん主体に物事を進めていくにはやはりトップダウンの考えはなくてはならないものになります。

是非、このブログを読んで頂いた方はトップダウンで実習に臨んでみてください!
トップダウンが行えれば必ず患者さんに良い支援が行えるようになりますし、あなた自身の成長にも大きく繋がります!

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
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