こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。
ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!
ぜひ、医療・介護現場で働かれている方、身体拘束をされた経験のある方、家族の方にこの記事をみて頂きたいです。
急性期病院に勤務10年目が思う一個人の見解です。この記事を見て頂き様々なことを思って頂いてよいかと思います。
身体拘束に関して考えるきっかけになって頂ければと思います。
批判もあるかと思います。不快にさせてしまったら申し訳ございません。
なかなか、正解を導くのには難しい問題かなとも思います。
だからこそ、切り込んでいこうかなとも思いました!
最後まで目を通して頂けたら幸いです。
身体拘束に関して思うこと【急性期病院で働く立場から】
正直な所、みなさんは、身体拘束をどう感じますか? どう思っていますか?
自分は正直、今の現状では、身体拘束を外す・なくすのは難しいと思っている派です。
大前提でお伝えしておきますが
身体拘束をしたくてしている医療従事者は1人もいません。身体拘束なんてないに越したことはないんです。でも、せざるおえないんです。
上記にも述べさせて頂きましたが患者さんの命や安全を第一優先に守る為に『身体抑制』を行なっています。
では、身体抑制をせざるおえない現状を以下にまとめてします。
・点滴の自己抜去や尿カテの自己抜去、大事なルート類を抜かれてしまうor意図しない形で抜けてしまうリスクがある
・患者さんの暴力行為やリスク管理不足による二次的合併症予防を行なって行かなければならない
・病院内での事故、怪我、死亡例は病院の責任・個人の責任が強く求められる現状
・夜勤帯の人手不足、せん妄による患者さん・医療スタッフの怪我リスクの倍増
・日勤帯も人手不足。だが、車椅子や椅子に座れせてあげたい気持ちとの葛藤
などのことが考えられるかなと思います。
患者さんの安全を第一に考えた際には、身体拘束はせざるおえない・・・。なんとも心苦しいんですが・・・。
では、上記の項目に対して真剣に1つ1つ掘り下げていきたいと思います。
点滴の自己抜去や尿カテの自己抜去、大事なルート類を抜かれてしまうor意図しない形で抜けてしまうリスクがある。
医療の現場で働かれている方にとっては、あるあるの話かと思います。
抑制帯やミトン(手袋)、スタッフの見守りがないと『認知症』の方や『せん妄』の方は、治療に必要な点滴、尿カテ、その他大事なルート類、カテーテルを普通に引っこ抜いてしまいます。
患者さんが悪いのではないです。病気が悪いんです。
そして重大な事故につながる事案としては
・点滴やAラインといわれるものが外れて大出血
・尿道から出血する
・人工呼吸器が外れてしまい窒息寸前まで陥る
・心電図モニターが外れ致死的不整脈に気づけない
・経管チューブを引き抜かれてしまい、再度挿入の必要性が出現
が起こることです。
全然、笑えないですし、こんなことされた日には医療従事者は顔面蒼白です。
責任は全て病院の責任になりますし、個人の責任にもなります。
裁判まで発展しかねない状況に陥るため抑制帯やミトンはせざるおえなくなってしまいます。
患者さんの暴力行為やリスク管理不足による二次的合併症予防をおこなって行かなければならない。
上記にも述べさせて頂きましたが『認知症』『せん妄』状態の方は人が豹変したように襲い掛かって来たりします。
自分の病院でも
『首を締められた』
『殴られた』
『腹を蹴飛ばされた』
などの訴えを何度も何度も聞いたことがあります。
大前提として病院は病気を治すところでケアを『重点的』に行う場所ではありますが、医療スタッフも1人の人間です。決して奴隷ではありません。
自分を守るということも『絶対』に必要となって来ます。
また、環境が変わったり、手術直後など何故か人は『動ける』と思ってしまう事も多く転倒して新たな骨折を作ってしまったり、最悪の場合、頭部外傷・脳出血などを引き起こしてしまうリスクも存在しています。
動いたのにも関わらず翌日覚えてなかったりもします。
上記のことを『自己管理・リスク管理が行えない状態』といい。そのようなかたもたくさんいるのも事実です。
そのような方に対しては抑制帯やミトンを行うことがあります。
病院内での事故、怪我、死亡例は病院の責任・個人の責任が強く求められる現状
これも上記にちょろっと書きましたが、責任が強く求められます。
死亡事例は特に責任の所在を求められます。
もしかしたら、記者会見もしなくてはならないことになったり、下手をすれば病院自体潰れかねない状態となります。
1人の医療スタッフの失敗が病院全体にとって大きな不利益をもたらす可能性があります。
そのリスクを考えると『より安全を』と考え抑制帯は必須となってしまうのが現状かと思います。
『抑制帯0を目指していこう』と1個人の医療スタッフの人が声を張り上げたところで相手にされないのが関の山です。
それを行う『メリット』『エビデンス的に何が良いか』『効率的か』『収益は上がるのか』などを求められます。
新しい政策を始めるには、一生をそこに費やすレベルで熱を入れて取り組んで行かなければなりません。
途中で辞め辛くなりますし、かなりのプレッシャーとストレスを抱えながら仕事を行なって行くことになりますよね。給料も変わらないのにですよ・・・?
タダでさえ、忙しい業務の中誰が手をあげるのでしょうか?
中々難しい問題なのではないでしょうか。
そのような政策をしているのであれば、もっと違うところに力を入れた方が病院経営的にも良いですよね。。。
日勤・夜勤帯の人手不足、せん妄による患者さん・医療スタッフの怪我リスクの倍増。だが、車椅子や椅子に座れせてあげたい気持ちとの葛藤
大前提に戻ります。
医療者の中に患者さんを意図的に縛りたいと思う人は1人もいません!!!
できればみんな自由にしてあげたいし、抑制帯なんて付けたくないと思っているのが事実です。ただ、それを掻き消してしまうぐらいの人手不足が存在します。
マンツーマンで患者さんを見ておくことが出来ません。
1人の看護師さんが6〜8人の患者さんをみなければなりません。
人間なので休みも取ります、トイレにも行きます、ご飯を食べる時間だって捻出して行かなければなりません。
そう考えると『認知症』『せん妄』の症状がある人を抑制帯なしで放置するというのは、あまりにも怪我に直結してしまうリスクが高くなってしまいます。
本来なら車椅子にも乗っていただきたいですし、椅子などに腰掛けゆっくりお食事などをとっていただきたいと思いますがそうもいかない現状があります。
どうしたら抑制をせず病院業務を成り立たせることが出来るか
出来ない、出来ないばっかり言ってても仕方がないですね。
では、どうしたら抑制をせず、病院業務を成り立たせることが出来るのかを考えていきたいと思います。
・人手を増やす
・病院全体で『抑制0』を徹底的に掲げ、頻回に勉強会(実技を含めて)を行う
そして、抑制0の重要性を学会や論文にして発表し他の施設からも太鼓判を押されるぐらいになる
・家族に転倒や大きな事故に繋がった際のリスク説明と同意を得るようにする
・危険行動○回目で抑制開始など明確な制限を決める
・ナースステーションを拡大して、患者さんをそこに集めるようにし常に人の目がある状態にする
などが考えられますね!!!
上記のことを徹底的に行なっていけば、もしかしたら『抑制0』を達成出来るかもしれません。
ただやっぱりネックになるのは組織全体で『変革』していかなければ何も変わらないところにあるかと思います。
看護師が1人声を張上げるのではなく、コメディカルや事務などの人も含め団結して医師や院長先生などに訴えかけていかなければなりませんね!
ここからは少し例えばの話をしたいと思います。
1人の医療スタッフが『抑制0を目指したい』と思ったのなら、まずは院内で仲間を探す事から初めて行きます。
小さな実践から始めていき、委員会でも何でも良いので病院内で組織として動くようにする。
研究データとしてまとめ上げ、学会、論文発表を行い実績をだし病院に自分たちの『やっている事が正しい』ということを訴えかけていきます。
その実績を元に病院内で勉強会、外部の人たちも集めて講習会を行います。(この時点でうまく行けば病院の宣伝にもなるので個人・組織と病院でwin-winの関係が出来るかと思います。)
病院のスタッフの意識を変え病院全体での実践としていく。
外部の病院にも自ら積極的に連絡をとり、タダで講習会を行う。
抑制0を実践する病院を増やす。
ここまでやって行けば、抑制0での病院業務が成り立つのではないかと考えます。
ただこれをやるには、その病院で骨を埋めるぐらいの覚悟がないと中々難しいのかなと思います。
ようは、どれだけ熱を入れて本気で変えたいかが勝負のカギなのかなと思います。
身体拘束をなくせるように医療者・介護者の増員が必要不可欠!
いかがだったでしょうか?
身体拘束に関して思うこと【急性期病院で働く立場から】と題して記事をまとめてきました。
今回のまとめです。
抑制を行えない理由
・点滴の自己抜去や尿カテの自己抜去、大事なルート類を抜かれてしまうor意図しない形で抜けてしまうリスクがある。
・患者さんの暴力行為やリスク管理不足による二次的合併症予防を行なって行かなければならない。
・病院内での事故、怪我、死亡例は病院の責任・個人の責任が強く求められる現状
・夜勤帯の人手不足、せん妄による患者さん・医療スタッフの怪我リスクの倍増
・日勤帯も人手不足。だが、車椅子や椅子に座れせてあげたい気持ちとの葛藤
抑制0を目指す為に行うこと
・人手を増やす
・病院全体で『抑制0』を徹底的に掲げ、頻回に勉強会(実技を含めて)を行う
そして、抑制0の重要性を学会や論文にして発表し他の施設からも太鼓判を押されるぐらいになる
・家族に転倒や大きな事故に繋がった際のリスク説明と同意を得るようにする
・危険行動○回目で抑制開始など明確な制限を決める
・ナースステーションを拡大して、患者さんをそこに集めるようにし常に人の目がある状態にする
非常に難しい問題ですが、組織全体で変わっていこうという意識があれば必ず行えることでもあるかと思います。
今後の世の中は高齢化社会に向かっていきます。
自分たちも高齢となっていく中で少しでも過ごしやすい日本にしていけるように努力していく必要がありますね。
今回の記事は自分で書いていても非常に勉強になりました。
ぜひ、この記事を読んでいただき様々なことを思って頂ければ幸いです。
以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
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少しでもあなたの未来が良い方向に向かうことを祈っています。
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