こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。
ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!
認知症の歴史的な背景として以前は“痴呆”“ボケ”などという言葉で呼ばれていました。
現在では、上記の言葉は差別用語として扱われ“認知症”という言葉に変わり世間では統一認識として用いられるよになりました。
その認知症ですが実際に認知症の方と接する時、一般の方も医療従事者の方も正直どのように接して良いのか分からないという方は多いかと思います。
そこで今回、作業療法士として臨床経験10年目の自分が“認知症の方への接し方”を徹底的に解説していきたいと思います!
是非、参考にして頂きながら認知症の方と接して頂ければと思います!
認知症の方も認知症の方と接する方もお互いストレスなく過ごせるようになっていきましょう!
認知症の方への対応|大切な接し方を医療従事者が解説します!
認知症の方への対応を理解していく為には、認知症のことを知らなければなりません!
皆さんは、認知症と言われパッと何を思い浮かべますか?
・言ってることがなんだかよく分からない人orよく喋る人
・言った言葉を忘れてしまう人
・落ち着きがない人or暴力をふるう人
・すぐに怒り出す人or泣き出す人
・無感情の人orいつもニコニコしている人
など様々なことを思い浮かべるかと思います。
本当に認知症の方って不思議ですよね。
突拍子もないことを急に行い出したり、普段では信じられない動きをしたり、いきなり騒ぎ出すなど理解出来ない行動ばかりされるかと思います。
そして、認知症の方と接する時
・なにを考えているんだろ
・どうやって接すればいいんだろう
・なにをして欲しいんだろ
など、認知症の方と接する方は本当に様々なことを考えるかと思います。
そんな認知症の方を知っていくためにはどうしても中核症状と周辺症状を理解していく必要があります。
では、具体的に中核症状と周辺症状とはどのようなものなのかを解説します!
中核症状とは
中核症状とは主に認知症の症状そのものをさします。
例えば
・ものごとを覚えられない(記憶障害と言います)
・ものごとが思い出せない、親しい人の顔を忘れてしまう(想起障害と言います)
・ここがどこなのか、いまはいつなのかが分からない(見当識障害と言います)
・極端に優しくなる、極端に暴力的になる(人格の変化と言います)
などの症状が挙げられます。
この症状に付随して周辺症状が出現したりします。
周辺症状とは
周辺症状とは
・よく喋る、危険予測もできず動き回ってしまう(多弁や多動と言われます)
・そとに出かけてしまい、自分のいえがわからなくてなってしまう(徘徊と言います)
・夜中の2時や3時に目覚めてしまう(睡眠障害と言います)
・急に怒る、泣く、笑う、恐怖する、不安がる等します(抑うつ症状と言います)
・助けてあげた、お世話をしてあげたことに対して拒否します(介護拒否と言います)
・突然何かが見えた、何かが聞こえと言い出すことがあります(幻覚や幻聴と言います)
などが挙げられます。
どちらかというと中核症状が起きてから周辺症状が起きるというイメージというよりかは、中核症状も周辺症状も同時に出現する方や周辺症状だけ出現する方、中核症状だけ出現する方など認知症の症状の出方は個人によって様々です。
中核症状や周辺症状が出現してきている方を認知症の可能性がある方ということになります。
そして、どなたでも行える認知症の検査としてHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)やMMSE(ミニメンタルステート)が存在します。
これらの検査に関しても説明します!
HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)
HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)とは、10項目30点満点で行われる認知症の検査になります。
認知症の重症度別の平均得点は
重症度 平均得点
・非認知症 24.45±3.60点
・軽度認知症 17.85±4.00点
・中等度認知症 14.10±2.83点
・やや高度認知症 9.23±4.46点
・高度認知症 4.75±2.95点
出典:「図解理学療法検査・測定ガイド」
となります。
つまり20点以下は認知症の可能性があるということになります。
注意して欲しいのが必ずしも点数を下回ったからと言って認知症確定ではありません。様々な臨床所見を総合して(脳画像など)認知症の診断となります。
必ずしも点数が低いからと言って認知症という訳ではないので勘違いしないようにしてください。
実際の検査方法は上記にpdfファイルとして貼り付けて置きます!
実際に臨床の現場でも使っているものなので是非、使ってみてください。
やり方は、表に書かれていることを質問していくだけです!
MMSE(ミニメンタルステート)
MMSE(ミニメンタルステート)とは、11項目30点満点で行われる認知症の検査になります。
認知症の重症度別の平均得点は
重症度 平均得点
・27〜30点 異常なし
・22〜26点 軽度認知症疑い
・21点以下 認知症疑い
となります。
これらを目安に認知症の有無を判断します。
HDS-R同様に大前提に必ずしも点数を下回ったからと言って認知症確定ではありません。様々な臨床所見を総合して認知症の診断となります。
こちらも必ずしも点数が低いからと言って認知症という訳ではないので勘違いしないようにしてください。
MMSEも実際の検査様式をpdfで貼り付けておきます!
HDS-RでもMMSEでもどちらでも認知症の検査を簡易的に行う事が出来ます。
使いやすい方を使ってみてください!
実際の対応方法、接し方に関して解説
自分の臨床経験や勉強したことから伝えられる対応方法や接し方は「その人に合わせる」という事が一番ということです!
では「その人に合わせる」とは具体的にどういうことかというと例えば
・「トイレに行きたい、トイレに行きたい」と言われてる方がいれば、その欲求がなくなるまで繰り返しトイレに連れてってあげる。
・とりどめもなく喋る人がいれば、その話をさえぎるのではなく、共感的な姿勢で聞き続ける。
・暴力行為をする方がいれば、無理に関わろうとせず落ち着くまで何もせずそばにいる。または、時間を空けて再度会いにいく。
・衣服を脱いでしまう方がいれば、脱いでしまったことを怒るのではなく、なんども衣服を着させてあげる。
・何かが見える、何かが聞こえる等いう方がいれば、「何も見えません」「何も聞こえません」というのではなく、「何が見えるんですか」「何が聞こえるんでか」とたずねてあげる。それに対してでた答えを共感する。
まだまだ、具体例を出せばキリがないのですが認知症の方に合わせるという事が非常に重要になります。
もう一つ大切な考え方としてマズローの欲求段階説を念頭におきながら接することも大切になります。
参考文献(図):https://www.motivation-up.com/motivation/maslow.html
マズローの欲求段階説というのは、人間の欲を表すものです。
例えば生理的欲求が満たされると一つ上に行き、安全欲求が満たされると一つ上にいく。のように欲求が満たされることで、どんどん高次の欲求を充したくなるというものを伝えてくれています。
これは健常の人にも当てはまる欲求段階説ですが認知症の症状が重度になればなるほど低次の欲求に依存する可能性が高いんです。
認知症の方が訴えている欲を満たしてあげられると落ち着いたり正常なコミュニケーションが取れるようになります。
なので
欲求を叶えてあげるような接し方をしていく事が大切という考え方です!
「寝たい」「排泄がしたい」「食べたい」と言えば可能な限り応えるようにしてみてください。欲求が満たされるまで繰り返し欲求を叶えてあげてください。
それが出来ると認知症の方も認知症の方と接する方もストレスなく過ごせるようになります。
お互いイライラしていては物事が前に進まなくなります。
認知症の方と接する方がなるべく“何がしたいのか”を察し動いてしまった方がスムーズに物事が前に進むようになります。
是非、上記の内容を参考に認知症の方と接してみてください!
接し方さえ分かれば分からないことはない!
いかがだったでしょうか!?
認知症の方への対応|大切な接し方を医療従事者が解説します!と題して記事をまとめてきました!
認知症の方との接し方は様々ありますが1番はその人を尊重してあげるということが大切になります。
認知症だから仕方がない。と諦めてしまう前にしっかりと認知症の方と向き合うことが大切です。
・めんどくさがらないこと
・無視しないこと
・受け流さないこと
・子ども扱いしないこと
・下に見ないこと
全てが大切になります。
認知症の方もしたくて人に迷惑を掛ける行動をしている訳ではありません。
病気により自分をコントロール出来なくなっているだけなんです。
常に不安と戦っているんです。すごく疲れている状態なんです。
そんな苦しい生活から少しでも解放出来るように接してあげるのが健康な人のやるべきことなんです。
認知症の方に対して酷い扱いは絶対にしないでください。
大切に大切に接してあげてください!
以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
少しでもあなたの未来が良い方向に向かうことを祈っています。
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