作業療法

作業療法におけるICFの書き方|これを読めば明日から即実践可能

こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。

ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!

ICFってよく分からない。何を書けば正解なの?どこに何を当てはめれば正解なの?かが分からない。。。ICFの書き方を調べても難しい言葉が羅列されていてイマイチ良く理解できない。困ったな・・・。

こんな悩みを持つ現役の作業療法士さんや作業療法士学生さんも多いのではないでしょうか?

なお
なお
作業療法士や作業療法士学生さんだけではなく理学療法士さんや理学療法士学生さんの中にもいるかと思います。

ICFってコツさえ覚えてしまえば簡単に書く事が可能なんですよ?

今回は、急性期病院に勤務する現役の作業療法士がICFの書き方に関してなるべく分かりやすく明日からすぐ実践出来る形で解説していきたいと思います。

ぜひ、この記事を熟読して頂き明日から実践してみて下さい!
学生さん、新卒の療法士さん、若手の療法士さん、もう一度ICFのことを学び直したい療法士さんにおすすめです。

これでもうICFの書き方で悩む事ともおさらばです!!!

作業療法におけるICFの書き方

ICFと言えば


厚生省ホームページから引用

この図がパッと思い浮かびますよね。
ただ、これを見ても何を書けば良いのか全然分からないですし、どこに何を書けば正解なのかも分かりませんよね。

そもそもICFとは『International Classification of Functioning, Disability and Health』の略で、日本語では「国際生活機能分類」と呼ばれるものです。

簡単に言えば問題点をまとめる表みたいなものだと思ってもらって大丈夫です。

これから

・健康状態

・心身機能・身体構造

・活動

・参加

・環境因子

・個人因子

の項目に分けて1つずつ詳しく解説していきます!
難しい言葉やなるべく文字が長くならないように解説します。

ぜひ、参考にしてみて下さい!

健康状態

健康状態の項目には現状の状態を記入します。
たとえば

・現病歴

・既往歴

が確実に入っていればOKです。
・現病歴:脳梗塞
・既往歴:高血圧、高脂血症

などのように単語だけでも良いですし

・X年Y月Z日早朝、左上肢に力の入りにくさを自覚。時間経過と共に脱力感増強。家族が異変に気付き救急要請。A病院に搬送。検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞を認め入院。

などのように文章で記載しても良いかと思います。
人によって記載の仕方は自由です。

ただ健康状態の項目には確実に現病歴だけは記載するようにしましょう(イメージとしては+αで既往歴を入れるという感じです。必要のない情報なら入れなくても大丈夫です)。

ICFを書く際に意識するのは1つ1つの項目に余計なものは記載はしないという事が原則になります!

なので健康状態の項目には現病歴、既往歴以外のことは書かないということになります。

心身機能・身体構造

心身機能・身体構造の項目では、患者さんを評価し得られた客観的な事実を解釈し記載していきます。

そして基本的には問題点のみ記載するで大丈夫です。

なお
なお
ちなみに問題点は#で表す事が多いです。

たとえば

・認知評価の結果(MMSEやHDS-R)

・高次脳機能評価の結果

・MMTの結果

・ROMの結果

・握力評価

・巧緻性評価

・感覚検査の結果

・腱反射の結果

・周計の結果

・Br-stageの結果

来られの結果が得られたとすれば問題点を解釈して記載していきます。

たとえば
#認知機能低下(HDS-R12点) #左上肢筋力低下(三角筋MMT3)、#左肩関節可動域制限(左肩屈曲120°)、#左上下肢表在感覚低下(触覚6/10) #左手指巧緻性低下

のように書きます。()の部分は記載しないことも多いですがあれば客観的に分かりやすいので載せておくと丁寧かと思います。

ここで載せる事実はあくまでも評価したもののみです。
評価してないものは載せてはいけません。問題点として載せたければ評価をして下さい!

活動

活動には基本動作や歩行、ADLに関することを載せていきます。
なので、ここの項目では姿勢分析、動作分析が非常に重要となってきます。

記載する内容としては

・寝返り重介助

・起き上がり中介助

・座位軽介助

・座位バランス低下

・立位保持能力低下

・食事中介助

・トイレ動作重介助

などの項目を記載します。
ちなみにこれらも問題点のみ記載し#をつけるようにしてみて下さい。
(たとえば#寝返り重介助 #起き上がり中介助 #座位軽介助のように)

基本的には介助レベルも詳しく記載すると変化点を追いやすくなるのでオススメです。
(初期評価、最終評価での違いが分かりやすくなります。)

患者さん、利用者さんの生活上での問題点を記載するのがこの項目になります。
どんな動作が行えていないかを出来るだけ細かく記載出来るとアプローチして行かなければならないものが見えてきます。



参加

参加に関しては病院での参加状況や病前・受傷前に患者さん、利用者さんが行なっていたことを記載します。

基本的には面接評価で得られたものを記載します。

記載方法は

・リハビリ室に来室困難

・英語教室に参加すること困難

・集団リハビリに参加が困難

・お茶会に参加が困難

・友人とのパーティに参加が困難

・復職困難

などを記載します。

出来るだけ患者さん、利用者さんが『○○に行く事が出来なくてつらい』などの発言から得られた物を記載しましょう。

どうしても記載する事がなければ想像して記載しても良いかと思いますが出来るだけ想像して記載するのは控えた方がよです。

なお
なお
治療者側のエゴが乗ってしまう可能性があるためです。

参加に関してはいくつも載せる必要はないと思います。
達成する必要がある1つだけ記載するでも良いかと思います。

○○に行けなくて辛い・悲しい・がっかりしているなどの発言があったら参加に記載していきましょう!

環境因子

環境因子に関しては基本的には現時点でのことを記載するように意識しましょう!
一番やっては行けないのは病院・施設での環境因子と在宅での環境因子を混ぜて書くことです。

なお
なお
これを行なってしまうと何に対してアプローチをすれば良いのかが分からなくってしまいます。

ちゃんと病院・施設での環境因子なのか在宅での環境因子なのか、どちらを載せているかは明確化していきましょう!

病院・施設での環境因子の載せ方

・いつでも介助してもらえる環境にいる為、依存的

・車椅子自走をする際に障害物が多く行えない

・別のフロアに行く為には階段を使用しなければならない

・隣室に患者さんがうるさくストレスが蓄積傾向にある

・個室にいる為、認知低下が進行傾向

などと記載します。

在宅での環境因子の載せ方

・段差や坂道が多い

・日中独居になる

・トイレ、風呂に手すりがない

・電動ベッドがない

・家族に介助を得られない

・独居

などと記載します。

病院・施設での環境因子でも在宅での環境因子でも基本的には問題点を記載します。
その問題点に対して解決できるようにアプローチしていくのが作業療法になります。

個人因子

個人因子には、その人のキャラクターを記載します。
ここでは良い部分も記載しても良いかと思います。

たとえば

・真面目

・前向き

・リハビリに積極的

・明るい

・ポジティブ

・神経質

・こだわりが強い

・自己解釈が多い

・リスク管理が行えていない

・話好き

など、その人がどのような人かが分かる記載になっていれば問題ないです。

第一印象や毎日接している中で感じた内容を記載しましょう!
その得られた情報から、どのような角度から治療・支援を行えば一番理解を得られるのかなどを考える際に個人因子を参考にしたりします。

なお
なお
○○さんってこういう一面があるから、直接伝えるのではなく家族から伝えてもらおう!

などとなったりします!
その人の性格を分析し記載しましょう!



ICFは問題点を分りやすくまとめる表です!

ICFを書く理由として、患者さん・利用者さんの問題点をまとめアプローチする部分を明確化するために行います。

なお
なお
ここが理解出来てないと無目的に問題点だけ挙げアプローチする内容が何なのかさっぱり分からなくなってしまいます。

たとえば活動の部分座位バランスが低下しているという問題点があったとすれば、心身機能・身体構造の部分に目を移し問題点を確認してみます。

そこで感覚低下や筋力低下が問題点として挙げられているのであれば筋力強化練習、感覚促通を治療として導入し実施後、座位バランスがどのように変化するかをチェックします。

座位バランス向上が得られているのであれば筋力、感覚をもっと治療していけば座位バランスも自ずと向上していくはずです。

逆に筋力、感覚に対して治療を行なっても座位バランスが向上しないということは、違う部分に問題点があり筋力、感覚をいくら強化・促通をしても座位バランスの向上は認められなくなります。

もう一度、心身機能・身体構造の部分に戻り問題点を考え直す必要があります。

ICFを書くというのは全てを関連付け書いていく必要があります。
関連しない書き方をしてはいけません。そこだけ理解できれば何も難しいことはありませんよ!

難しく考えずシンプルに書く!

いかがだったでしょうか!?
作業療法におけるICFの書き方|これを読めば明日から即実践可能と題して記事をまとめて参りました。

なお
なお
ICFを書く際は難しく考えずシンプルに書いていきましょう!

もう1つICFを書いていくにあたってのコツがトップダウンで考えることです。

患者さん・利用者さんが『トイレが使えなくて困っている』という発言があれば何でトイレが使えないのかを考えます。

活動であれば『起き上がれるのか』『座っていられるのか』『立てるのか』が評価になります。これらが出来ないのであれば問題点は#起き上がり軽介助、#座位軽介助、#起立軽介助などのようになります。

次に

心身機能・身体構造では『下肢や体幹の筋力はどうなんだろう』『感覚はどうなんだろう』『バランス能力はどうなんだろう』が評価となります。全て低下しているのなら#下肢筋力低下、#臀部感覚低下、#立ち直り反応低下のように記載します。

活動の能力を上げる為に心身機能・身体構造を上げられた問題点にアプローチを開始しトイレ使用が行えるように作業療法を実践していきます。

一見難しいように感じるかと思いますが何度も試行錯誤しながら繰り返し書いていくとマスターできるようになっていきます。

ぜひ、苦手意識を持たずにICFを活用してみてください!
ICFを適切に使いこなせれば適切な治療が行えるようになり患者さん、利用者さんをよりよくしていく事ができます!

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
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