リハビリコラム

脳卒中患者さんの評価方法を詳しくお伝えします|リハ学生・新人必見

こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。

ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!

なお
なお
今回は、脳卒中患者さんの評価方法を詳しくお伝えします。リハビリの事を学んでいる学生さんや新人のセラピストにおすすめの記事になります。

脳卒中片麻痺の患者さんの評価って非常に難しい部分があるかと思います。
適切に評価が行えないと適切な治療にも中々結びついていきません!

前回に

脳卒中急性期で作業療法士がやること|介入の進め方を説明します脳卒中急性期で作業療法士がやることをまとめました。どんなことに注意するべきなのか、どんな評価をするのか、どんな治療を行うかなどが書いてあります。当事者の方、当事者の家族の方、若手作業療法士の方、リハビリ学生さんに必見です!...

を書きましたが、今回はもう少し踏み込んで『評価のポイント』をより具体的にお伝えしていこうと思います!

脳卒中片麻痺患者さんに対して

・どのような評価をしていけば良いのか

・どういう視点で評価を進めれば良いのか

を中心に書いていこうと思います!

臨床で頑張っていらっしゃる若手の作業療法士さんやこれから実習を控えている学生さんが参考にして頂ければと思います!

是非、最後まで目を通して頂きご自身に役立てて貰えればと思います。

脳卒中患者さんの評価方法を詳しくお伝えします|リハ学生・新人必見

脳卒中片麻痺患者さんに対して、どの評価を実施していけば適切に評価が行えるようになっていくのでしょう?

セラピストは様々な評価がある中で自分自身で適切な評価を選びだし患者さんに実施していかなければなりません。

何年経験を積んでも難しいなと感じるところです。

上記にも述べさせて頂きましたが、より適切にリハビリを進めていく為にはしっかりとした評価が必要になります。

なお
なお
最初の評価を疎かにしてしまうと、その後の治療が全てうまく行かなくなってしまうと言っても過言ではありません。

ただ作業療法士を10年間経験してくる中で必ず行なっていかなければならないなと思う評価がいくつかあります。

・この評価は経過を追う為にも必ず必要だったな

・この評価毎回必ずやっているな

と思う評価です。

それが以下の評価になります。

・面接評価
(MTDLP、ADOCなど)

・片麻痺評価
(Br-stage、SIAS、Fugl-Meyer Assessment、Motor activity log)

・感覚検査
(表在、深部感覚)

・筋力
(MMT、握力、pinch力)

・関節可動域

・筋緊張

・反射

・ADL評価
(BIまたはFIM)

は最低限必ず行なっておくべき評価です!
(初期評価もしくは早い段階で評価しておくべき評価項目です。急性期・回復期・生活期関係ありません。全ての期に共通して言える評価項目です!)

これらの評価を行い、目の前の患者さんの身体の状態、心理的・精神的な状態、生活の遂行能力を大まかに把握していきます。

そしてMTDLPやADOCなどの面接評価で聞かれた目標から目標に合わせた評価をより細かく実施していき総合的に身体状態や精神状態を把握していくことが重要です!
(例えばSTEF、モノフィラメントを用いた感覚検査、バランス評価、MMSE,HDS-R、VQ、OSAⅡ、AMPS、各種高次脳機能評価、脳神経評価など)

脳卒中片麻痺患者さん評価するにあたっては、森をみて木を見ていくことが非常に重要になります!

なお
なお
まずは大枠を捉えていく必要があるということです!

これが出来ないと適当な評価を行い適当に治療を進めることが出来なくなってしまいます!
そうならないように最善の注意を行い、目の前の患者さんと接していくことがセラピストの責任になります!

次の項目からは、どういう視点で評価を進めれば良いのかをお伝えしていきます!

どういう視点で評価を進めれば良いのか

評価をしていく為の視点を理解していくと適切に治療、支援を行なって行けるようになります!

上記で森をみて木を見ていく評価が重要とお伝えしましたが、どうやって行なっていけば良いのかをここで説明していきたいと思います!

・作業分析を行う

・動作を行なったあと患者さん自身の感想を聞く

・何が原因で出来ないのかを考える

・どこを強化すれば実施出来るようになるかを考える

・治療に繋げていく

が重要です。

基本的にリハビリを進めていくにあたっては、評価しながら治療を行い、また評価を行い治療を行うの繰り返しです!

なお
なお
自分の行なった治療の効果判定を常に行なっていく必要があります。

適切な治療を行なっていくにあたっては適切な評価は欠かせません。

自分がやっている治療・支援が意味のあることなのか、ないことなのかを迷ってしまうのは評価不足が挙げられることがほとんどです。

自分のやっていることに自身を持つ為にも上記にあげた項目の視点を持ちながら評価を行うことが大切です。

では、上記の項目1つ1つを深く解説していきたいと思います!

作業分析を行う

評価を行う上で作業分析は非常に重要なことになります。
目標として挙げてもらったものを実際にやってもらいましょう。

・現状出来なくてもやってもらう

・セラピストは動作を見て作業分析を行う

・問題点を抽出する

・詳細に評価を行う

・治療を実施する

この流れが大切です。
出来ない動作をただ眺めているだけはセラピストのやる事ではないので注意してください!

例えば食事動作を例に出すと何も指示せずとにかく普段通り食事動作を行なってもらいましょう。

もちろん、代償動作も出現しますし、うまく食事動作が出来ないのは目に見えてます。
出来ない中でも患者さんは必死に行なってくれるかと思います。

そこを分析するんです。

実際に動作を行なってもらうことによって患者さん自身も『今は出来ないんだな』ということの理解を促すことが出来ます。

現状を知ることで現実を見つめ直す機会になり患者さんは、今自分が置かれている状況を理解しようとしていきます。

なお
なお
その過程が重要なんです。

そして、やらせたらやらせっぱなし(失敗体験のまま終わらせる)にするのではなくセラピストとして食事動作が出来ない分析を行い、問題点を抽出していきましょう。

・筋力が弱くて動作が遂行できないのか

・麻痺が強くて動作が遂行出来ないのか

ここを明確にすることで評価する項目も見えてきますし、治療プログラムもスムーズに立案していくことが出来るようになります。

目標に挙げた動作をとにかくやってもらい作業分析を行なったのち、問題点として挙がったものを詳細に評価していきましょう!

動作を行なったあと患者さん自身の感想を聞く

患者さん自身に感想を聞くのも大切です。
客観的な事実を知ることも大切ですが、主観的な事実を知ることも大切です。

客観的な部分だけではなく主観的なところも評価の対象になります!

なので

・どこがやりずらかった

・どこが辛かったか

・どこが痛かった

・どの点が難しかった

・出来なくてどう思ったか

は最低限聞いていきましょう!!!

患者さんの自覚的な訴えを聞くことは非常に重要で訴えたところに関しては真っ先に評価しなければならない点になります。

・手を動かすときに肩が痛い

というのがあれば関節可動域評価や筋緊張の評価、姿勢の評価、触診の評価を行い治療していくにあたっての評価を行なってください!

患者さんからの訴えが聞けることによって評価する部分も明確になったりします。
そして客観的な事実と主観的な事実がわかればギャップの埋め合わせも行えるようになります。

訴えに対して治療を行い、患者さんの不快な気分をなくせたら、きっとあなたに心を開き、様々なことを開示してくれるようになるかと思います。

患者さんが動作を行い終えたあとは、しっかりと話を聞き、悩みを解決出来そうな評価、治療を積極的に行なってみて下さい!!!



何が原因で出来ないのかを考える

出来ない動作に関しては、何が原因で出来ないのかを徹底的に考えることが大切です。
考えていくポイントとしては

なお
なお
患者さんの動きをマネしてみる。

が一番わかりやすいです。マネ出来ると患者さんの動きを把握することが出来ます。
モノマネ上手になりましょう。姿勢をマネする。動作をマネするんです。喋り方もマネするんです。

多分、マネしてみると非常に非効率な動きをしているはずです。
自分と比較して『どのような所を使いすぎているか』『どのような所が使えてないか』を考えてみるんです。

そうすると自ずと『どこに力が入りすぎている』『どこが弱いのか』『どこが崩れているか』が分かるようになります。

力が入りすぎている所、弱い所、姿勢が崩れる原因を客観的な指標(Br-stageやMMTなど)を用いて評価を行なっていくんです。

そうすることによって治療する所も見えてきますし評価も的確に行え治療に対する経過も追えるようになります。

難しく考えず、自分と患者さんを比較して、どこが違うのかを考えていくことで評価していく項目も見つけやすくなりますよ!

どこを強化すれば実施出来るようになるかを考える

ここは治療プログラム立案になる部分ですが上記の評価で挙げられた部分に対して強化を測るリハビリや動作練習を実施していきます。

そして、毎回リハビリ終了時に再評価を行なっていきましょう!
再評価を行いリハビリ介入前と介入後で結果にが出ていなかったら評価するポイントが間違っているということになります。

結果、治療もあまり意味をなしていないことになります!

よく

なお
なお
今日やったリハビリの効果は明日か明後日以降に出るだろう

と思われる方もいますが基本的には即時にリハビリの効果は出ています。

気づけないのは、観察不足か評価不足です。
明日の治療に繋げる為にも一回一回効果判定をしていきその都度、その都度評価を行ない治療に繋げていくことが重要です!

治療に繋げていく

評価を繰り返し行なっていき、最後に治療に繋げていきます!
治療を行なっていくポイントは森と木を同時にみていくことです。

姿勢や動作も分析しますし、四肢の動きも環境に対するアプローチもしていきます。

なお
なお
点をどんどん繋げていき線にしていくイメージです。

点がずれると線もズレてしまいます。
線がズレないように、その都度、その都度確認する作業が評価になります。

それ程、評価は重要なことになります。
ついつい1つのことだけに集中しがちですが、広い視野を持って患者さんにアプローチしていくことが大切です!

常に評価を行う視点を持つことが大切

いかがだったでしょうか!?
脳卒中患者さんの評価方法を詳しくお伝えします|リハ学生・新人必見と題して記事をまとめてきました。

脳卒中片麻痺患者さんの評価ポイントは常に評価を行う視点を持つことです。
この視点がないと患者さんを適切に評価することも出来ませんし見落としが必ず出てしまいます。

評価は1回やったら終わりではなく毎日毎日変化している部分に対しては行なっていきましょう!!!

非常に大変な作業になるかと思います。
手を抜かず、1つ1つ丁寧に行うことで患者さんにより多くのものを還元していくことが可能になります。

上記の視点を参考にして頂きながらしっかりと評価を行えるようになってください!
この記事をみて頂いた全員の方を心から応援しております!また、脳卒中患者さんの評価方法に関して悩まれている方がいましたら是非、この記事をシェアしてあげて下さい。

シェアすることにより周りに回って必ず患者さんの為になるかと思います。

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
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