リハビリコラム

ガンとリハビリについて考える

こんにちは!なおです!
このブログは『医療のこと』『生きための知恵』を柱に人生頑張っている方に向けて情報発信をしていくブログです!
ブログ×ツイッターを通し様々な方と楽しみながらコミュニケーションを取れればなと思っています!

先日、当院でキャンサーボードと呼ばれるがん患者さんの治療方針に関して話し合う会議に発表者として参加してきました。


キャンサーボード参加者には、外科医、内科医、病理医、看護部、疼痛緩和ケアチーム、薬剤部、栄養科(NST)、放射線科、リハビリテーション科など様々な分野の方が集まりました。

その他、出席者には病院長、副院長はじめ、整形外科医、研修医、事務、臨床検査技師、臨床工学技士など様々な方が観に来てくれ盛大に行われました。

ガン患者症例に対して各部署での介入方法や経過を発表し、より良い介入方法を検討・模索するものでした。

非常に勉強になり、他部署の方がどのような考えを持たれてガン患者さんに接しているのかを深くしる事ができました。

そんな発表会を通して、本日のブログを『ガンとリハビリについて考える』と題して進めていこうと思います。
がんリハビリテーションとはどのようなものなのか、働く世代のガンに関して、高齢者のガンに関して、を書いていければと思います!

最後までお付き合いして頂けたら嬉しいです。

がんリハビリテーション

皆様は『がんリハビリテーション(以下.がんリハ)』という言葉を聞いた事があるでしょうか。
がんリハは、まだまだ歴史が浅く、2007年に開催された『厚生労働省委託事業がんのリハビリテーション研修』によって
がん診療連携拠点病院の医師・看護師・療法士を対象に教育、推進されるようになりました。

2010年には診療報酬改定により
がん患者リハビリテーション料』も新設され
がん診療連携拠点病院のみならず、様々な医療機関で研修が受講可能となり、がんリハが実践されるようになっていきました。

これが、がんリハのザックリとした歴史的背景です。
これだけを観ていると、まだまだ発展途上なのかなと思います。
現在でも、がんリハを積極的にやっている病院は、まだ少ない印象です。

どちらかというと、がんリハとしてではなく、がんに付随した筋力低下・体力低下に対してリハビリテーションを展開している病院が多いのかなと感じます。
(専門的に言えば、廃用症候群、呼吸器疾患、運動器疾患として捉えリハビリテーションを展開している)

でも、それは本来の『がんリハ』ではないとおもうんです。
本来のがんリハは、スピード重視の医療ではなく、本人のペースに合わせたリハビリテーションを展開していく事だと思っています。
実際にやる事としては

・がんを患っている方が、今困っている事に対して介入。

・従来大切にしてきた活動、作業を再開できるように介入。

・痛みを作らない、緩和できるようにする介入。

・メンタルフォローを重視した介入。

・末期がんであれば『生きててよかった』『生きれて来れてよかった』と思える最期をむかえられるような介入。

・家族、周辺の人、会社、社会の事も考えた介入

をやるべきだと思います。
本人が望めば良いのですが、『ただ体力をあげるリハビリ』や『ただ歩けるようになるリハビリ』ならやらない方が良いと思ってます。
無駄に疲れさせてしまうだけになってしまうと思うからです。

これが、『がんリハ』を専門に行なっている病院とそうでない病院の違いかなと思います。

その他にも課題として挙げられているのは、病院だけではなく、在宅、高齢者施設においても多くの方が、がんで悩まれていると思うんです。
そのような方々に対しての支援もまだまだ行き渡ってなところがあるのではないかと思っています。

がん治療を終えた5年、10年の経過観察期間医療を卒業を迎えた後にいたるまで、一生涯がんを抱えた方が豊かに暮らしていけるようにする事がリハに求められているものではないかと感じています。

働く世代のがん

自分も含めて、働く世代のがんってどのようなもの何だろうと調べた時
がんに羅患された方は

・仕事にできるだけ早く復帰したい

・少しゆっくりしたい

・残りの人生を楽しみたい

と発言される方が多いようです。

働く世代』とは、生産活動に従事し得る年齢として、一般的には15歳以上の人をさす事が多いです。
日本においては、生産活動に就いている中核の労働者として15歳〜65歳未満を生産年齢人口として総務省等の調査対象とされています。

では、実際どのような悩みがあるかを調べてみました。
今回は『2013年 がん体験者の悩みや負担等に関する実態調査報告書 がんと向き合った4,054人の声』から抜粋したいと思います。

・治療に伴う症状によるつらさ

・治療に伴う症状への対処の仕方

・仕事のこと

治療終了後からは

・体力低下

・副作用など治療に伴う症状がいつまで続くのか

・病気や治療に伴う日常生活への影響

・いつから仕事に復帰できるか

などがあげられたそうです。

がんと診断されただけでも精神的ショックが大きい中、社会で働くとなると様々な壁に当たっていく可能性があります。
必要な時や困った時に気軽に相談できる場専門家からアドバイスをもらえる場というのは現状少ないのかなと感じています。そう方々の役に立ちたいというのが、それがまさしく自分がやりたい活動の一つでもあります。

では、働く世代に必要となってくる関わりとはどのようなものでしょう。
例題をあげていきます。

身体機能の変化における柔軟な対応

病院内では医師、看護師と密に連携をとり、身体機能の変化に応じ職業上の最大限のパフォーマンスを発揮できるような工夫を行う必要がある。
また、退院後も外来フォローなどを定期的に行い、日常生活や仕事における情報収集を行い適切に指導していけるような環境作り、不安を解消出来るような環境づくりが必要なことなのではないかと思います。

体力向上や身体機能維持、認知機能維持

上記にも挙げさせてもらいましたが、やはり体力低下身体機能面の低下認知機能低下を気にされる方も多くいらっしゃるかと思います。
そのような方に対して、定期的に外来フォローして医師に適切に診断してもらい、リハビリにて身体機能面・認知面をしっかりと評価してもらったうえで、指導を重点的に行なっていく必要があるのではないかと思います。

退院したら、はい!リハも終了。ではナンセンスかと思います。
継続してフォローアップしていく体制づくりが必要ですね。

チーム内連携

がんにより体力低下、認知機能面の低下、身体機能面の低下が残存してしまった場合のサービス利用や復職に向けての支援を様々な職種で支援する必要あるのではないかと思います。
がんを発症された方は、様々な事に関して分からない事だらけの状態です。
その分からない事に対して素早く情報提供を行えるようにするためにもチームの連携が必要だと感じます。

復職困難な方々への対応

この対応に関しても必要かと思われます。そしてデリケートの問題かと思います。
重度の認知力低下や体力低下により、今までの仕事ができなくなってしまった例です。
社会復帰を阻害している原因は何かを慎重に検討し個々へ丁寧に支援していく必要があるかと思います。

高齢者のがん

少子高齢化に伴い高齢者のがんも増えているのは事実です。
2012年に高齢がんの統計を西本寛 国立がん研究センター 医師が発表しています。

75歳以上の後期高齢者の羅患では
男性で胃がん3.8万人、肺がん3.7万人、前立腺がん1.2万人、大腸がん0.8万人、の順に発症しやすい。
女性では、大腸がん2.8万人、胃がん2.2万人、肺がん1.8万人、乳がん1.4万人、すい臓がん1.0万人、肝臓がん1.0万人の順に発症しやすい。

西本はまたこのようにも述べています。
年齢によるがん進行度と治療方法の違いについて2点指摘するところがある。

一つ目は高齢かつがんが比較的進行した状態で診断される傾向にある。

二つ目に余病や体力低下が潜在する事が多い高齢者では手術の施行割合や化学療法施行例割合が低く、この事が死亡率の高さに結びついている可能性があるという。

高齢の方に対するがん治療の難しさを伺う事ができますね。

社会保障の観点からは、年金制度、医療保険、介護保険制度を使いながら『その人らしい生活』をしていく事になります。
使える保証は、使っていくべきだと思いますし、人生を謳歌しながら過ごされた方が悔いが残らないとも思います。

ひとつ、自分が担当した症例の紹介をさせてください。

80歳代 女性 胃がん末期のクライエント。協力的な家族あり。
保存療法で化学療法にて治療。
全身筋力低下に加えて低栄養、体力低下も著明に存在していました。
この方がおっしゃられていたことは『もう一度、ディズニーに行きたい』とのことでした。

何とかしてディズニーにいけるようにする為、その日からベッド上でのリハビリ、座位練習、車椅子乗車練習に力を入れ行なって行きました。

リハビリを始めてから1ヶ月、ご本人様の相当な頑張りや努力もあり、調子のいいときで車椅子に3時間程度座っていられるようになりました。

その為、主治医、看護師、リハビリ、ソーシャルワーカー、緩和ケアチームの医療チームで話合い
身体状況の確認、薬の処方、食べ物に関する注意点、車椅子乗車時の注意点、家族指導等が1〜3日のうちに行われて、合計5日後にディズニーにいく事が叶いました。

ディズニーから帰ってきた、そのクライエントは『1日目はディズニーランドに行って、夜はディズニーランドホテルに泊まって、2日目はディズニーシーに行って帰ってきました。とても疲れたけど、行って本当によかった。』と目をキラキラさせながら仰ってました。その姿は今でも鮮明に覚えています。

その後、少しして自宅退院となり、その1ヶ月後に逝去されました。

作業療法士として上記のような関わり合いが出来て本当によかったなと思う症例でした。

おわりに

いかがだったでしょうか。
がんに関してまとめてみました。

まだまだ、がんリハは発展途上ですし、様々な支援の形があるんだなと書いてて感じました。

日常生活に戻る、仕事復帰をする、趣味活動を再開する、役割を再開する、社会と一緒に暮らす、予後を充実したものにするなど
人それぞれ価値観、ライフワークにより何に重点が置かれるかが決まってくるんだなと思います。

がん患者さんの語りにしっかりと、耳を傾けて、その人が今どんな事を思い、何を望んでいるのかを考えながら接する必要があると思います。
少しでも参考になっていただけたのであれば幸いです。
以上、本日のブログでした。

このブログでは、リハビリ、介護、健康に関して困っている、悩んでいる方が気軽に相談できる場、情報を得られる場を目指しブログを行っていきたいとおもっています。
何かに悩まれている方がいらっしゃれば、どんなん小さな事でも構わないので1人で悩まずコメントでもなんでも良いので連絡くださいね。なにかしらの力添えはできるかと思いますので。

本日も観てくださっている方、本当にありがとうございました。また、時間がある時に気軽に観にきてくださいね!



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