作業療法

急性期作業療法の目的を詳しく解説します!

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なお
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今回は、急性期作業療法の目的を詳しく解説していきます!

作業療法に関しては

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などをお伝えしてきましたが今回のお題は『急性期作業療の目的』に関してです。

総合病院や大学病院と言われる所で作業療法士は一体何を目的に作業療法を実施しているのか?

10年目作業療法士が徹底的に解説していきます!
この記事を見て頂ければ、急性期病院における作業療法士の役割も正しく理解出来るようになります。

医療従事者の方々や一般の方々にも作業療法というものや作業療法士が行なっていることを知って頂ける機会になるかと思います。

是非、最後まで目を通してみてください!

急性期作業療法の目的を詳しく解説します!

では早速、作業療法士に焦点をあてて話していきたいと思います。
まずアメリカの作業療法士協会が出している急性期作業療法士の役割に関して声明があります。

Acute care is an inpatient hospital setting for individuals with a critical medical condition. These patients may have experienced a sudden decline in their medical and functional status due to a traumatic event, a worsening of a progressive disease, or the onset of a new condition. The primary goal of acute care is to stabilize the patient’s medical status and address life- threatening issues. An essential second goal is to improve functional status and safety to prevent physical and cognitive complications which are also key components of occupational therapy interventions.

翻訳は
急性期の作業療法士の関わりは危機的な医学的状態にある対象者を入院環境にて、対応するものである。これらの対象者は事故や疾患の発症、進行性の疾患の悪化により突如の医学的または機能的な障害を有している。従って、急性期における最も重要な目標は対象者の医学的安定と真近の生活を脅かす問題解決を図ることにある。次に大事な目標としては、今後の作業療法介入を進める上で重要な要素となる身体・認知機能の合併症の予防に努めることである。

と書かれています。
医学的な治療が大前提にあり、次に作業療法を展開していく必要がある事を示しています。
また、身体機能の回復に関与するリハビリテーション、日常生活動作再獲得に関与するリハビリテーションに加え合併症予防を行うのも立派なリハビリテーションであるということが書かれています!

では、自分が9年間急性期病院に勤めてきて思う急性期での作業療法士の役割を書いていきたいと思います。

・各疾患に対する病態理解とリスク管理が行える

・医師が使う専門用語の理解が行える

・血液データの解釈、画像・エコーの解釈、心電図の解釈が行える

・安全に離床が行える

・パターナリズムの目標設定からシェアードデシジョンメイキングの目標設定が行える

が急性期の作業療法には必要になります。
どういうことかを一つずつ詳しく解説していきます!

各疾患に対して病態理解とリスク管理

作業療法士の養成校では、なかなか急性期のリハビリテーションに関して濃密に勉強する事は少ないかと思います。
(どうしても国家試験に付随する勉強や作業療法理論の勉強を多く勉強せざる終えなくなるためかなと思っています)。

なので、現場に出て改めて疾患の事や様々な事を勉強する方々が多いのかなと思います。
大学病院や総合病院に勤めると、聞いたことのない疾患に対して作業療法を展開していかなければならない事が多いです。
もちろん、分かりません・知りませんはまかり通らない世界です。

知らない疾患に出会ったら1つ1つ、しっかり調べ病態を理解しリスク管理を行えるようにしていかなければなりません。
覚える事も莫大で大変ですが知識が増えていきますし、様々な場面で応用がきくようになっていくのでやりがいはあるかと思います。

医師が使う専門用語を理解

大学病院、総合病院に勤める作業療法士は内科外科整形外科精神科小児科など全ての診療科でリハビリテーションを行う場合があります。

それぞれの診療科で使われる専門用語を正しく把握していかなければなりません。

上記で書いた事と同様で、わからない単語に出会ったらまず調べる。そして覚えていくという作業になります。

どうしても分からなければ周りのスタッフに聞く、看護師さんに聞く、医師に聞くなどして、分からな事を分からないまま放置しないようにします。
聞けないという無駄なプライドもどんどん捨てていきます。
カンファレンスなどでは、バンバン医療用語が飛び交っていきます。
当たり前のように理解しているものかと思われ話がどんどん進んでいきます。

正しく理解していなとついていけないという事が起きます。
なので、各診療科の専門用語は理解しておく必要があります。

各検査の理解・統合と解釈

全て完璧に理解とまではいかないとは思いますが、正しく理解していこうという姿勢は大切かと思います。

病院によっては医師が統合と解釈をしてくれたレポートが見れるようになっています。
そのレポートを開く前に自分なりに予想を立てて、統合と解釈をした上で答え合わせ的な感じでレポートを見て自分は勉強をしています。

何枚も画像を見たり、血液検査のデータを見たり、心電図を見たりしていると、少しずつ予想を立てられるようになっていきます。

急性期に勤務する作業療法士が各検査の理解・統合と解釈が行えないというのも、ややなしだな思います。(結局は担当の方を正しく理解していく為には必要となる為)

対象の方をよくしていく為には、しっかりと勉強していく義務があるとかと思います!

安全に離床ができる

持論ですが急性期に所属している作業療法士が『離床出来ません』と言ってしまってはお話になりません!

自分の上司は『離床は理学療法士で』と言い放ってしまう上司だったので、自分はそこに疑問を感じ、上司から学ぶのではなく、先輩理学療法士から離床に関してのノウハウを教わり必死に勉強をしていきました。
現在では自分の勤務している病院の理学療法士と同じレベルで離床が行えるようになったのかなと思います。

日常生活を営んでいく上で、まずベッドから起き上がらなと生活が成り立ちません。
(もちろんどうしても起き上がれない人は除きます)
作業療法士が離床出来ませんは『言い訳』にしか過ぎません。

しっかりと安全に離床していけるだけの知識を養っていく事が必要とされます。
*離床とはベッドから起きることを意味します。



目標設定を正しく行える

作業療法士として非常に重要な部分かと思います!

急性期病院では医学的に管理されている状態な方が多く作業療法士がある程度目標設定をするパターナリズム的な目標設定となってしまう事が多いです。

介入初期は仕方ないと思うので、パターナリズム的な目標設定でも良いかと思います。
ただ、全身状態が落ち着き在宅に向けてや施設に向けてのリハビリテーションが展開できるようになった時期にはシェアードデシジョンメイキングの目標設定が行えなければならなと思います。

シェアードデシジョンメイキングとは作業療法と対象者がしっかりと話合い行い本当に大切な意味のある作業に焦点を当てて目標設定を行なっていく方法です。
これが出来ないと、作業療法がセラピストのエゴで終わってしまう可能性が高くなってしまうからです。

また、作業療法を展開していく中では、対象者は主体的にリハビリテーションに取り組んでいく必要があります。

いつまでも病院やセラピストに依存しているのではなく、自らの問題に対して自ら解決していく力を身につけていかなければなりません。
対象者自身で問題解決を行なっていけるようにする為にもシェアードデシジョンメイキングでの目標設定が重要となっていきます。

急性期病院という場所は、どういうところか!?


そもそも急性期病院の役割としては、何よりも『治療』が第一優先にあります。

脳血管疾患系の治療、心臓系の治療、呼吸器系の治療、高熱の治療、外科系の治療、骨折の治療など多岐に渡ります。

医師はその場、その場で様々なことを即時に判断し決断し救命していかなければなりません。

その為、病院勤務中の医師は常に頭の中は考えて行動している状態になります。



イメージとしは、まさしくこんな感じです。

看護師や我々作業療法士、全てのコメディカルスタッフに関してはリスク管理の知識、薬剤の知識、状態把握の知識が絶対に求められる場であることは間違いありません。

何も学ばず無知でいれば、目の前の方を救う事は出来ませんし、状態が変化した時に正しい対応が出来なくなってしまいます。それが何を意味するかというと患者さんの『死』に直結させてしまうということです。

1つ実際に当院のリハビリ中に起きた急変に関する出来事をお話します。

自分の担当する方では無かったのですが、その現場に携わったいたので書きたいと思います。

事例
Aさん 女性 呼吸器系の病気を持たれていた方
リハビリの時間の為、リハビリ室へ来室していました。

血圧、脈拍、酸素の値を測り、普段と変わりが無かった為、運動のリハビリを開始しました。
筋力トレーニングを実施し、歩行練習を行うまで何ともなかったAさんですが、歩行練習を開始して数分、いきなり気分不快、呼吸困難感を訴え、その場に倒れこんでしまいました。

対処
まず、周りのスタッフを集め、Aさんをベッドに横にしました。
意識レベルの確認、呼吸の確認をし血圧、脈拍、酸素の値をチェックしました。
意識がなく、呼吸も微弱、酸素の値も低値であった為、全館放送でコールし医師・看護師その他コメディカルスタッフを招集。

リハビリスタッフは記録係、救急カートの用意、主治医に連絡、病棟リーダー看護師に連絡、AEDの用意、人工呼吸・心臓マッサージの実施、ストレッチャーの用意などの役割を素早く連携し実施。

結果
医師、看護師、コメディカルスタッフ、リハビリスタッフの迅速な対応によりAさんは次の日には何事も無かったように意識を取り戻しました。
後々、検査結果により肺に血栓が飛び、呼吸が行いづらくなり、意識がなくなったのではないかとの見解でした。

急性期病院ならではの出来事かなと思います。

正しい対処方法、知識、チーム医療がなかれば、Aさんはもしかしたら亡くなっていた可能性もあります。

何はともあれ救われてよかったなと思う事例でした。

ちなみに上記に書いた全館放送コールは、いわゆるコードブルーと言われるものです。
診療科は問わず、手の空いている医師、看護師、臨床工学技士や検査技師は全員招集しなさいの意味合いを持ちます。

なので、よっぽどの事がない限り病院内で急死ということはありえないということですね。少し事例を交えて書いてみました。

急性期病院の役割を理解出来たかと思います。

急性期の作業療法は作業療法以外にも知識が必要な場


いかがだったでしょうか!?
急性期作業療法の目的を詳しく解説します!と題して記事をまとめてきました!

なお
なお
急性期の作業療法は作業療法以外にも知識が必要な場になります!

上記にもお伝えしてきましたが急性期病院というのは“治療”が第一優先される場所です。
治療とともに作業療法を実施し患者さんに対して適切にリハビリを行っていく場所です。

作業療法以外にも沢山の知識を身につけていないと患者さんに対して不利益を与えてしまいます。

ですが、適切に作業療法が実施できれば目に見えて患者さんが良くなっていく姿を見ることが出来るのでやりがいを強く感じれる場でもあります。

この記事が様々な医療従事者の方の参考になれば良いなと思います!

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
少しでもあなたの未来が良い方向に向かうことを祈っています。
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