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作業療法国家試験の問題に触れてみようー専門問題編ー

こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。

ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!

なお
なお
前回に引き続き『作業療法国家試験の問題に触れてみよう』シリーズを行なっていきます。本日は『専門問題』に特化して記事を書いていきます。

前回の作業療法士国家試験の共通問題を見ていないという方は、是非以下からアクセスしてみて下さい!

作業療法国家試験の問題に触れてみようー共通問題編ー作業療法国家試験の問題に触れてみようと題して記事をまとめました。今回は、共通問題と言われる理学療法士にもなる人も解く問題を挙げました。作業療法士・理学療法士に興味のある方必見の記事です!...

きっと参考になると思います!

今回の作業療法士国家試験の専門問題は、作業療法の専門性を問う問題なので難しのでは?と思う方もいるかと思いますが意外と簡単だったり面白い問題もあるんですよ!

一般の人でも思わず『へぇ〜』と言ってしまう問題もあります!

それを、今回は紹介出来たらなと思います!!!

病気の理解という観点から一般の方の方にも見てみてほしいと思いますし作業療法士を目指そうとしている方などにオススメとなる記事です。

是非、最後まで楽しみながら解いて頂けると良いかと思います!

作業療法国家試験の問題に触れてみようー専門問題編ー

では早速問題を書いていきます。
こんな問題を作業療法士になる人は、解いているんだと思いながら見て頂けると良いかなと思います!

第1問

『簡易上肢機能検査(STEF)について正しいのはどれか。2つ選べ』
1.60歳までが適応となる。
2.評価としての再現性が高い。
3.項目によって配点が異なる。
4.他の項目との比較が容易にできる。
5.「できる・できない」で評価する。

A.2.4

解説:
簡易上肢機能検査は10種類のテストからなり、それぞれ大きさや形の異なる物品を把持して移動させ、その一連の動作に要した時間を計測し、決められた点数(1〜10点)を加えて、右手と左手との差を左右別に合計点数を算出していきます。また、参考値との比較も可能となります。点数だけではなく、姿勢や上肢の動作分析を行う上でも非常に簡易的に用いることにできる検査道具となります。

第2問

『前腕切断後の弾力包帯装着について適切なのはどれか。2つ選べ。』
1.幻肢予防の効果がある。
2.遠位から近位に向けて巻く。
3.1日のうち4 、5回巻き直す。
4.上肢では15cm幅の包帯を使用する。
5.断端周径が2、3日安定したらはずす。

A.2.3

解説:
前腕切断術後の弾力包帯装着は、むくみ、拘縮、切断部の変形を予防し、切断部位を形よく整えるために切断・離断端に弾力包帯やギプスを巻いていきます。さらに切断・離断した腕や手を心臓より高い位置に保ち血液の循環をよくすることが大切です。

ギプス包帯による固定では幻肢予防効果は得られますが弾力包帯による固定では幻肢予防効果は得られません。

下腿、上肢切断では10cm幅の包帯が用いられます。大腿切断では15cmの包帯が用いられます。

創の治癒後も仮義手を装着していないときには、断端の浮腫を防ぎ成熟を早めるために常に弾力包帯を巻いておくことがあります。

これらから導き出せる答えが2,3になります。

第3問

『片麻痺のADL指導で正しいのはどれか。』
1.上着は麻痺側の袖から通す。
2.四つ這い位からの立ち上がりは健側膝立ち位から行う。
3.起き上がりは麻痺側に寝返って行う。
4.階段は二足一段で麻痺側から登る
5.車椅子からの移乗は麻痺側斜め前方に移動する

A.1

解説:
片麻痺患者の更衣動作では上着は動きにくい麻痺側から着るようにします。脱ぐときは動きやすい健側から行う。四つ這い位からの立ち上がりは麻痺側膝立ち位から行なう。立ち上がりに必要な力は健側になる。階段は健側から上がり、麻痺側から降りる。車椅子移乗は健側斜め前方に移乗するのが基本となります。

第4問

『Parkinson病患者のADL指導で適切なのはどれか。』
1.階段よりも傾斜路を利用する。
2.食事にはて関節固定装具を用いる。
3.下衣の更衣はできるだけゆっくり行う。
4.浴槽のへりの高さは洗い場の高さに合わせる。
5.起き上がり動作の開始には視覚的外部刺激を利用する

A.5

解説:
Parkinson病では、逆説性歩行があるため、階段は必ずしも障害とはならず、むしろ平地や傾斜路より歩きやすい場合があります。傾斜があると突進歩行を招く恐れがあり危険です。

階段昇降練習は、日常生活の動作を維持するために有効である。食事動作に関しては手首を固定しなくても、ゆっくりであれば自分で摂取可能です。Parkinson病患者は長時間下肢を挙げて置くことができない為、ゆっくり更衣動作を行うのは誤り。浴槽に関しては浴槽の底部が洗い場より低いと浴槽に入ることが困難です。それは、階段動作同様、昇ることより降りることの方が難しいためです。

第5問

『60歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。下肢の痙縮が強く、介助歩行でははさみ足の傾向にある。手指は鷲手変形を呈し、上肢近位部は筋力は2。最近、嗄声が進行している。この患者の作業療法で適切でないのはどれか』
1.ベッド上動作を容易にするため滑りやすい布をシーツとして使う。
2.夜間家族を呼ぶため、足スイッチコールを設置する。
3.ユニバーサルカフを用いて食事をする。
4.ストロー付きカップで補水をする。
5.1スイッチ入力コミュニケーションエイドを使う。

A.2

解説:
手指も変形し筋力が低下していますが下肢は痙縮をきたしています。スイッチコールに必要な筋力と、手と足の巧緻性の差を考慮しても、わずかな動きでも手を用いて呼ぶことのできるスイッチコールの方が望ましくなります。そのため、2が誤りとなります。その他の問題は適切に解説されています。

第6問

『急性期を脱した統合失調症患者にみられにくい症状はどれか』
1.早朝覚醒
2.自信喪失
3.抑うつ気分
4.希死念慮
5.集中力減退

A.1

解説:
急性期を脱した統合失調症患者では疲弊、消耗が強く、陰性症状が前面に出てきます。そのため、早朝覚醒は生じにくいと考えらます。

統合失調症の陰性症状には感情の平板化、自発性低下、思考の貧困化がみられる。陽性症状として幻覚、妄想、緊張病症状、顕著な思考形成の障害が見られるようになります。

これらのことから1が答えだと導くことができます。

第7問

『48歳の女性。20歳代で夫が亡くなり1人で子どもを育てた。子どもが就職し家を離れたころから意欲が低下し、気分が落ち込むようになった。精神科外来に通院していたが、今回、食欲不振が続いた為、入院となった。入院後3週間経過し作業療法が開始された。この患者の作業療法実施上の留意点で適切なのはどれか。2つ選べ』
1.楽しみを見つける。
2.早朝の就労を促す。
3.自殺企図に注意する。
4.身辺処理能力を高める。
5.過去の生活課題を振り返る。

A.1.3

解説:
意欲低下、気分の落ち込みが持続し、されに食欲不振となって入院となったうつ病患者が急性期を終えて、ようやく作業療法ができるようになった時期。すでに夫を無くしているこの中年の女性のうつ病になったきっかけが、子どもが就職して離れたこと、すなわち空の巣症候群によるうつ病です。

うつ病では喜びの喪失がみられる為、楽しみを見つけることは重要なことである。また、うつ病患者は疲労感が強いことが多く、十分な急速を必要とする為、早朝の就労は不適切となります。

自殺企図に関しては常に注意しなければならない項目になります。特に回復段階にいる時が一番自殺リスクが高いと言われている。過去の生活課題を振り返るのは急性期を脱したばかりで、今回の発症が「空の巣症候群」と考えると症状を増悪させてしまう可能性が高いので不適切です。

第8問

『パニック障害患者の作業療法注にみられるのはどれか』
1.醜形恐怖
2.疼痛発作
3.失立発作
4.不安発作
5.情動失禁

A.4

解説:
醜形恐怖とは、自分の容姿が他者に不快感を与えているという恐怖をいい、思春期妄想症にみられます。疼痛発作は身体病変の程度に比して強い疼痛症状を訴えることをいう。心理的要因と身体的要因の両方が関わるものだが、パニック障害にはみられない。失立発作は、身体的要因がないのに立てない状態をいい、解離性障害でみられます。

不安発作はパニック障害でみられる。突然訪れる非常に強い不安と、それに伴う自立神経症状をいう。情動失禁は、感情が抑制できずに泣いたり、笑ったりする状態をいい。脳血管性認知症でみられます。

パニック障害は動悸、発汗、胸痛、息切れ、気が狂ったり死ぬのではないkという恐怖を伴う発作をパニック発作と言います。パニック障害というのは、突然理由もなくパニック発作が繰り返し生じる疾患です。パニック障害の患者では、予期不安(また発作が怒るのではないか?という不安)や広場恐怖(助けを求められない場所や状況から避ける)がみられるのが特徴となります。

第9問

『解離性(転換性)障害でみられないのはどれか。』
1.心的外傷の体験
2.一人の場面での発作
3.不規則で多彩なけいれん発作
4.解剖学的な分布と乖離した知覚脱失
5.数ヶ月後には寛解する傾向

A.2

解説:
解離性(転換性)障害では、意識消失、麻痺、痙攣発作、知覚脱失など様々な症状を呈しますが、それらを説明する器質的根拠がみられないことストレス性の出来事や対人関係の障害など明らかな心理的原因が認められることが特徴になります。

さらには、演技的、誇張的な面もみられる。その為、上記の問題では、症状は一人の場面ではなく他者がいる場面で起こることが多いです。

第10問

『摂食障害でみられないのはどれか。』
1.体重増減への過度な関心
2.こだわりの強い嗜好
3.体重変化を監視されているという言動
4.食後の嘔吐
5.衝動コントロールの困難性

A.3

解説:
摂食障害には神経性無食欲症と神経性大食症があります。

神経性無食欲症では「太る食べ物」を避ける事、自己誘発性嘔吐、下剤の使用、過度な運動などで体重減少を図ろうとする。さらに肥満への恐怖のため、痩せているのに太っていると考えるボディーイメージの歪みが特徴です。

神経性大食症では、抗しがたい食べ物への渇望と過食、自己誘発性嘔吐、下剤の使用などがみられる。その為、体重変化を監視されているという発言は妄想であり、摂食障害には妄想は生じません。よって、誤りとなります。



試験問題に触れることで作業療法士のことを理解できる


10問専門問題を書きました。
どう感じましたか?意外と解けると思いましたか?それとも難しいと思いましたか?

なお
なお
実際の試験問題に触れることで作業療法士のことをより理解出来るようになるかと思います。

まず、自分のなりたいと思う職業のことを理解することが大切です。
職業のことを理解していく為には、実際に働いている人に接してみたり、学校の生徒に話を聞いてみたり、今回のように試験問題に触れてみるということが非常に重要になります。

自分のなりたい職業の想像を膨らませることで、より具体的に行動出来るようになります。

今回の国家試験の問題を見て面白いと思う方がいれば確実に作業療法士には向いています。
難しいと思った方でも4年間しっかりと勉強すれば確実に解けるようになります。

少しでも興味のきっかけにして頂き、是非作業療法士を目指してみて下さい!
控えめに言って本当に良い仕事になります。
今後も必要とされる可能性が高い仕事になります。

作業療法士になり是非一緒に様々な患者さん・利用者さんを救える作業療法士になっていきましょう!

共通問題より専門問題の方が解きやすい!

いかがだったでしょうか!?
作業療法国家試験の問題に触れてみようー専門問題編ーと題して記事をまとめて来ました!

なお
なお
意外と共通問題より専門問題の方が解きやすかったりします。

抜粋したのはほんの一部ですが自分も記事を作成しながら復習ができました。
みなさんにも試験を知ってもらって、自分も復習が出来たのでwin-winの関係になれました。ありがとうございます。笑

はい!!!って事で。連日にわたり『作業療法国家試験』に触れて頂きました。
病院、施設、養成校、企業などで働いている作業療法士は全員、この試験を受け、合格した方が働いています。

知識もたくさんあるので、身体や心のことに関してわからないことがあれば近くにいる作業療法士に是非来てみてください。

もちろんブログやTwitterを通して自分に聞いてくれるのも全然OKです。
その際は、真剣に対応させて頂いきます!

ひとりで悩まず表出してくださいね!

以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
少しでもあなたの未来が良い方向に向かうことを祈っています。
『悩み事』『もっと聞いてみたい事がある』と言う方はTwitterのDMやブログのお問い合わせから連絡下さい。1人で悩まず一緒に歩んでいきましょう!

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