こんにちは!なおです!
このブログでは『心を軽くする考え方』『医療』『リハビリ』の3つを柱に情報発信を行っています。
ブログを通しあなたの人生を少しでも良い方向に変えていけるような“お手伝い”が出来るようになることが最大の目標です!是非、参考にして頂きながら今よりも良い毎日を歩んで下さい!
本日のお題は『うつ病のリハビリ』です。
うつ病のリハビリを担当するのは、主に精神科にいる作業療法士が担っています。
作業療法士になるため学生時代から精神科の勉強をし精神科の実習に行き、たくさんの知識を身につけて行きます!
自分も精神科の実習に行き資格を取ってからも“うつ病”で悩まれている方や“精神科疾患”を持たれている方の診療にあたっています。
なので今回は、その経験と知識をみなさんにシェアしていきたいと思います!
うつ病の症状や対処方法に関しては、様々なサイトや書物に載ってあるかと思いますが
なかなか、作業療法に焦点をあてた記事って少ないのかなと思います!
知識を深めて頂く良い機会やうつ病の当事者に接する際の参考になるかなと思いますので、ぜひ参考にして頂ければと思います!
最後まで是非、目を通してみてください!
他にも
統合失調症のリハビリに関しても書いてあります。
こちらもご興味ある方は、是非みてって下さい!
では早速、うつ病のリハビリに関して書いていきたいと思います!
うつ病のリハビリを紹介|現役作業療法士がお伝えします!
うつ病というのは、ほとんどの方がご存知の病気かと思います。
現代病と言っても過言ではない病気です。
『気分が落ち込む』『やる気が出ない』『眠れない』など、様々な症状が病的に出現してしまう病気です。
下記に少しだけ“うつ病”の症状をまとめておきます。
・抑うつ気分
・人の目の前から消えたい衝動に狩られる
・漠然とした不安や焦り
・やる気や意欲低下
・食欲の低下
・睡眠の低下
・性欲の低下
・喜びの低下
・ネガティブ思考
・会話や本などの内容が頭に入ってこない
・集中力の低下
・動悸、息切れ、口が乾く、倦怠感
があります。
6年前のデータになってしまいますが、平成25年に厚生労働省が行った調査では、うつ病の有病率は6.7%であり、15人に1人が生涯に1度はうつ病にかかる可能性があると報告しています。
この数は、他の病気と比較しても多い数字だと思います!
*上記のデータはやや古いので、現在はもう少しうつ病気の有病率は上がっているかと思います。
自分は『うつ病にならない』と思っていても、いつ何のきっかけで発症してもおかしくない数字かなと思います。
そんなうつ病を持たれている方に対して作業療法士はどのような事をしているのか。
少しまとめて行きたいと思います。
作業療法では、患者さんの退院や復職、復学の時期などを見据えた『継時的作業療法』に基づいて計画を立案していきます!
継時的作業療法とは『導入期』『継続期』『集結期』から構成されます。
導入期
患者さんと治療同盟を構築していく時期です。
患者さんには作業療法の必要性を説明し同意をえる事が必要となっていきます。
消極的な患者さんに関しては治療構造に基づく枠を明確に伝え、作業を用いて心身への負担やストレスをかけること、時には苦手な事についても指摘する事を伝え、それが作業療法士の役割であることを共有して行きます、
導入期は大体、治療開始から1ヶ月前後であることが多いです。
作業療法士が実施することとして
・生活リズムの安定を図る:ベッドから起きる、作業療法参加を生活の軸とする
・回復を自己認識できる作業の提供
・生活における1日活動量の評価と向上
・生活における喜び、楽しみの提供
・気分回復に伴う潜在的希死念慮(死にたい・自殺したい)の評価
が行えるようになります。
より専門的な視点で患者さんと接することが出来ます。
これらの視点は、作業療法士なら当たり前に持っておかなければならない知識ですが一般の方でも十分に応用出来ることもたくさんあります。
是非、これからお伝えしていくのでこのまま読み進めてみてください。
断続期
症状が多少再燃したとしても『今日は休みましょう』や『症状が治ってから再開しましょう』などは容易な介入をしないように注意します。
患者さんの退院後の生活を見据えて症状が再燃した理由の検討や症状が多少再燃しても生活を変えない意識を促すようにします。
作業療法を無理強いするのではなく、社会生活に置き換えて説明するようにしていきます。
作業療法への参加を職場や学校への参加に置き換え、社会生活を見据えた練習をおこおなってもらうようにします。
結果として参加できなくても構わないが、社会生活を見据えた繰り返しの練習が、必ず将来の社会生活にいきるようになって行きます。
この時期は、あえてストレスを患者さんへ与えるため、症状が再燃しやすいが社会参加を焦り再発し、再入院する事を考えれば、この時期に十分時間をとる方が効果的であると言えます。
断続期は治療開始から1ヶ月以降のことを指します。
この時期に作業療法士が実施することとしては
・ストレス要因と心身症状の客観的認識の向上
・生活に必要な作業耐久性の向上
・再発防止のための生活の再考
が大切になって行きます。
少しずつ再発予防を学習していってもらうタイミングや自信をつけていってもらう段階になって行きます。
うつ病の方にとって非常に大切な時期になります!
集結期
作業療法で向上・開発できた行動を患者さんの社会生活に汎化させるよう促し、再発防止のための生活を再構築して行きます。
作業療法士自ら進んで介入するのではなく、患者さんから相談や表出があるまで待機する姿勢を大切にしています。
作業療法士に相談する、他者に相談する、他者と一緒に物事を進めるなどの体験もストレス対処技能を学習しえうる場となるなります。
できることは自分で行ってもらうようにいていきます。
集結期は復職検討時期以降のことをいう
この時期に作業療法士が実施することとして
・ストレス対処技能の向上・開発・調整を行う
・再発予防のための生活の再構築をする
・患者さんが望む現実的な社会生活を維持するようにする
・症状再燃を自己対処できるようになる
上記3期の時期を意識しながらうつ病の作業療法は進めていきます。
作業療法士が行う就労支援
うつ病を発症された方に関しては、日常生活上のリズムを取り戻すことや、復職・復学というところが重要となってきます。
少し話は変わりますが、昨今では50人以上の企業で働く精神障がい者数は、2016年6月時点で、前年より20%増え、身体障がいや知的障がいの伸び率よりも高かった事が判明しています。
世の中には、様々な悩みを抱えながらも懸命に仕事に従事されている方が多いという事ですね。
このような現状がある中で一体、作業療法がどのように、うつ病を持たれている方を支援しているかをお伝えしていきたいと思います!
就労に向けたリハ
就労に向けたリハでは、準備段階を重点化していきます。
体調を崩した際、まず薬物療法と休息・休養をとる事で体調の改善を図っていきます。
体調が向上してきた中で、生活リズムを整え、少しずつ活動性を高めていくことが重要です。
そのように段階付けをしていく事で日常生活を安定して送れるようになっていきます。
ただ、難しいところは、日常生活が安定して送れるようになったからといって就労できるかというの点に関しては別問題となってきます。
日中の生活では、限られた人や家族とのコミュニケーション、日中過ごすにも自分のペーススで物事を進めていけます。
社会に出るとそうはいきません。時間は制限されます、初対面の人とも合わなくてはいけません、人前で話す事もあるでしょう、様々な方とコミュニケーションを取らなければなりません。仕事に対するノルマも与えられるでしょう。
様々なバイアスがかかってきます。
この日常生活と社会のギャップをいかに無くしていくかが作業療法士が関わっていく役割かと思います。社会復帰に向けてリハビリを展開していくところだと思います。
では、実際どんな作業療法が展開されているのかを皆様に伝えていきたいと思います。
生活リズムを改善し、基礎体力と活動性を高める
生活リズムを整え日中活動できるだけの基礎体力と活動性が改善していることは、就労する際の大前提とも言えます。
自宅環境では、起床時間や就寝時間の管理、日中の活動の組み立ては、全て自分に委ねられているが、睡眠障がいや抑うつ感、億劫感、意欲の低下など、症状が伴うと1人だけで復職に向けた準備をする事は容易なことではないんです!
そのため、復職を行う前に『外来作業療法に通う』という事を習慣化させていく。また、外来作業療法では基礎体力作りに向けたリハを展開して行きます。
そのことにより、朝起きる時間、寝る時間、ご飯を食べる時間、出かける時間など、ある程度枠組みを作ることが可能になります。
また、外来作業療法に参加することで対人関係に関してもストレス耐久をあげていく事もできます。
このようにして生活リズムを改善させ活動性を高めていく関わりを行なっていくことが大切になります。。
作業活動を通しての気づき
診療場面やカウンセリングなど、会話のやりとりだけでは見えづらいものや見落とされていたものが、作業活動やメンバーとの関わりから見えてくる事が多く存在します。
作業療法プログラムではある程度、期間が長いため取り繕いきれず、問題や課題が表に表出されやすい傾向にあります。
活動を通して見える行動特性を踏まえ、その付き合い方を考えていく事が、リハの重要な役割とされています。
作業活動を行う際、作業活動を通して自分の行動特性を把握できるような関わりを作業療法士は行っています。
例えば、外来作業療法に参加しとても疲れてしまったとします。その後より寝たきり、引きこもり傾向になってしまいました。
この時に『どの活動でつかれた』のか『どの工程で疲れた』のかをセルフモニタリング、セルフコントロールが行えるようになる事が大切です
これが行えるだけで、復職した際に自分の行動特性やセルフモニタリング、コントロールが行える為、疲れすぎず仕事が行えようになる可能性が出てきます。
また自分の特性を忘れないようにメモ(どんな事で疲れるのか、何をやった時に苦しくなるのか)をとっておくことも重要なことですね。
対人交流を通した気づき
うつ病を持たれている方は対人関係上のストレスを抱えやすい。対人交流が苦手な場合、苦手なりにかかわる方法や距離の取り方を集団の場面で練習しておく事が必要です。
個人課題をおこなう上では問題がみられなくても、周囲との関わりの中では、課題が見えてくることがあります。
グループディスカッションをした時など、なかなか発言できないメンバーがいたとします。
それが何故なのかを分析する事が大切となります。
・周りから自分の発言が変に捉えられたらどうしよう
・自分の話なんてききたくないと周りが思ってる
・意見を言われたらどうしよう
・意見がズレてたらどうしよう
・上手く話せなかったら恥ずかしい
・自分はレベルが低い
など様々な事を思う方がいるかと思います。
うつを持たれている方は、優しい方が多く頑張り屋で真面目、周りに気を使われる方が沢山います。それは、とても素晴らしい事ですね。
ただ、ゆえに自分が思っている事を発言できなくなってしまったり、相手を立てるがあまりに発言ができなくなってしまったりする事が多いです。
これらを改善していくためには、同じような境遇の方と接し意見交換を行っていく事が非常に大切となってきます。
発言した事に関しては否定しない事を大前提とし会話を続けるようにしていきます。これを行う事で、自分の性格の特性や自分の価値というもに気づきやすくなります。
また、作業療法士もうつ病の方同士のやりとりを促進するような関わり合いをしています。
その事により、さらに表出が行えるようになり、対人交流を通して自分の事を深く知ることが出来ていきます。
当事者同士のコミュニティもでき、支え合うという関係も構築していくことができます。
復職や就労に向けた準備を1人だけで行うのは思いのほか大変です。
そんな中で、支え合いが出来る事でスムーズに働いていくという事につながっていきます。
辛くなったら、また支え合いながら過ごしていけるようにもなります。
このことから対人交流は必要不可欠なこととなっていきます。
適切なタイミングでうつ病の方と接していくことが大切
いかがだったでしょうか。
うつ病のリハビリを紹介|現役作業療法士がお伝えします!と題して記事をまとめてきました!
ただ、漠然とうつ病の人と接しても良い結果は得られません。
励ませば良いというものでもなく応援すれば良いという訳でもありません。
逆に心のない言葉でうつ病の人をもっと追い詰めてしまう可能性もあります。
一度自分の口から出た言葉は取り消すことが出来ません。
正しくうつ病のことを理解してからうつ病を持っている人に接することが重要になります、
そして、適切な時期に適切な声かけや配慮をすることがうつ病の方を救うことになります。
“なんだか怖いから接しない”や“どう接するか分からないから接しない”ではなく是非、周りにうつ病の方がいるという方は、この記事を参考に接してみてください。
うつ病の方は、常に自分と闘い周りとも戦っています。
孤独を突き進んでいることが多いんです。生きづらいんです。
なので、そっと寄り添いなんでも言える関係性を築いてみてください。
それが適切にうつ病の方を救う唯一の方法になります。
しっかりとこの記事が理解できれば誰でもうつ病の人を救うことが出来ます。
もっと、もっと具体的に知りたいという方は、どしどし連絡をください。
その際は、もっと具体的にアドバイスが出来るかと思います。
この記事を見て頂いた人が1人でも辛い思いをしている人を救えるようになれば良いなと小心の底から思っております。
以上、本日のブログでした。
最後まで目を通して頂き本当にありがとうございました。
少しでもあなたの未来が良い方向に向かうことを祈っています。
『悩み事』『もっと聞いてみたい事がある』と言う方はTwitterのDMやブログのお問い合わせから連絡下さい。1人で悩まず一緒に歩んでいきましょう!